韓国で学生間の性犯罪が急増し、懸念が高まっている。韓国の教育科学技術部が作成した「最近3年間学生間性犯罪現況資料」がキム・ユジョン国会議員により12日に公開された。資料によると、小中高生による性犯罪事件は毎年36%増の勢いで増加しているという。主要メディアを含む複数メディアが続々と報じている。

 報道によると、学生間の性犯罪は2006年の38件から09年には98件に上り、2010年は7月まですでに90件ほどの性暴力事件が発生している。同話題を報じた韓国メディアは「隣国の日本より17倍も多い」と、日本を引き合いに事件の多さを指摘した。

 特に、中学生が加害者となっている性犯罪事件がほぼ半数に達しており、また32%の性犯罪が被害者もしくは加害者の自宅で発生した点も注目に値する。さらに、単独犯行による性犯罪が増加の傾向にあり、08年には集団暴行が7割を占めていたが、2010年には単独犯行が55%となっている。

 加害者の生徒は犯行の動機について「ポルノ動画を見てまねした」と語った。学生間の性犯罪が急増している理由について、韓国メディアは専門家の見解を紹介し、「インターネットの普及によるポルノ動画の無防備な露出が問題だ」と指摘。それに加え、学校教育において「きちんとした性教育を受けていないことが大きな理由だ」と伝えた。

 韓国では、年々増加している小中高生による性犯罪を受け、09年度から小学校高学年の保健授業で性教育を実施するなど性犯罪の予防に乗り出した。ただ、性教育に割り当てる授業時間は1年でわずか5〜6時間と、日本やフランスより極端に少ないため、あまり効果がみられていないのが現状だ。(編集担当:金志秀)



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