CL敗退でどん底に落とされたR・マドリー。対O・リヨン戦のショックが消えない選手達の表情は冴えないままだ。今シーズン最後の目標、リーガ制覇に向け頭を切り替えなければいけないが、やはりサンティアゴ・ベルナベウでCL優勝の夢が消えたことは大きな痛手となったに違いない。

 「個人技重視ではなく、チームとして戦うべきだ」と試合後に吐き捨てたグティ。チームの戦術を批判してしまった第2キャプテンの言葉が象徴するように、チーム内には悪い雰囲気が漂いつつあるようだ。

 何とか状況打開を図ろうとO・リヨン戦で孤軍奮闘したC・ロナウド。確かに彼のプレーは何度もチームを救ってきたとはいえ、あまりにも自力に頼り過ぎていた。追加点を奪おうと必死になっていたC・ロナウド。そして、この試合はツキが全くなかったエースのイグアイン。無人のゴールに決めることさえできなかった。

 お互い自我が強い攻撃的選手。C・ロナウドがフリーになっていたにも関わらず、シュートを選択してGKに阻まれてしまったシーンでは、C・ロナウドがイグアインへの怒りを露にしている。このプレーをきっかけに2人の間に溝ができてしまったとスペインメディアは報じている。

 投資額に釣り合う活躍ができていないと批判されるカカー、大事な試合では得点できないと言われるイグアイン、怪我が多く戦列を離れるベンゼマ、そして個人技に頼り過ぎると仲間から批判を受けるC・ロナウド。CL敗退でチーム分裂の危機に陥ってしまった。どうやってチームの士気を上げるのか。ペジェグリーニ監督に新たな試練が突きつけられている。

(スペイン通信)