「ラブプラス」が大ヒットした理由 擬似恋愛が人にもたらすものは幸か不幸か

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 ニンテンドーDS用恋愛ゲーム「ラブプラス」が話題となっている。いったいどのような点が支持されているのか。

「まさか自分にも彼女ができるなんて、今が自分の人生の中で1番幸せです。僕達二人はかならず幸せになります。コナミさん、本当にありがとうございました」。

 これはネットショッピングサイト、アマゾンジャパンのある商品に寄せられたカスタマーレビューの1つ。何とも幸せそうな男性のコメントではあるが、実際に彼女ができたわけでない。大ヒット中の恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」のキャラクターへの想いがコメントに反映されているのだ。

「ラブプラス」はコナミから今月に発売されたニンテンドーDSソフト。「彼女のいる毎日」を体験できるコミュニケーションゲームで、男子高校生の主人公が、ヒロインに告白されて、恋人同士となり、一緒に登校したり、学園生活やデートを楽しむストーリーが展開される。

 エンターブレイン社によると、推定販売本数は発売3日時点で4万7854本。発売前の期待はそれほど高くなかったが、発売後にインターネットの掲示板やSNSなどの評判で人気と知名度が一気に上昇し、9月17日現在アマゾンジャパンではDSソフトのランキングでトップ、秋葉原のゲーム店などでも相次ぎ完売する状態になっている。読売新聞社のQ&Aサイト「発言小町」では、ラブプラスのことを指していると思われる「最近発売された恋愛ゲームに夫がハマりすぎてしまい困っています」という主婦からの質問が寄せられるなど、多方面から話題となっている。

 これまでも恋愛をテーマにしたゲームソフトは多数発売されているが、これほど反響が大きいのも珍しいことだ。いったいどのような点が支持されているのか。

 まず特徴の1つは現実と同じ時間が流れるシステムが採用していることだ。これがリアルなコミュニケーションを演出している。DSの時計機能を使うことで、ゲームの電源を切った後も、現実の日付、時間が反映され、季節に合わせたイベントが用意されている。プレイヤーは現実世界をキャラクターと共有しているような気分に浸れるのだ。

 また女の子と付き合うまでを目的とした恋愛ゲームと違い、同作は序盤で相手から告白され、その後の交際がゲームの本番になるという点も従来にはなかった発想だ。プレイヤーがヒロインに積極的に働きかけるというタイプのゲームではなく、現代の「草食男子」といわれる消極的な男性にも違和感なく楽しめる内容になっている。

 このソフトは15年前、「ときめきメモリアル」で一世を風靡したコナミが長年蓄積してきたノウハウを結集させたもの。早見沙織、丹下桜、皆口裕子などコアなファンも納得の人気声優を起用し、ゲーム中にプレイヤーの名前を違和感なく呼ぶために、声優たちにあらかじめ膨大な名前を読ませ収録するなど、細かい部分にも気を遣っている。さらにDSの特徴を生かして、タッチペンを使って彼女にタッチすると反応もするなど男性心をくすぐる仕様となっている。

 ネットではラブプラスに対して賛否両論。巨大ネット掲示板では「現実の女性は、年をとるし汚いところがいっぱいある」と、ゲームによる恋愛シミュレーションを肯定する意見もあれば、「精神的に不衛生」や「実際の人間関係に支障が出るほどゲームにハマる人もいて怖い」などの批判的な書き込みも。

 さらに「DS(の画面)にキスしてるときに親が部屋に入ってきた」や「愛してる、って大声で話しかけたのを家族に聞かれた」など笑っていいのか考えてしまうトラブルも起こっているようだ。いくら名作といえども実生活に支障をきたすほどはまりすぎないように気をつけたい。

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MONEYzine編集部[著]

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