世界最古、本物の「コンピューター・バグ」の写真
1947年9月9日、ハーバード大学にあった電子計算機『Mark II Aiken Relay Calculator』のオペレーターたちが、リレーを邪魔していた一匹の蛾を取り除いた。[Harvard Mark IIは、Howard Aiken氏の指揮の下、米海軍の支援を得てハーバード大学に作られた電子計算機]
エンジニアの世界では、それよりずいぶん前から「バグ」という言葉が使われていた[トーマス・エジソンもこの言葉を使ったとされる]が、実際の虫(バグ)が原因でコンピューターに問題が起こったケースはこれが初めてだった。オペレーターたちはこの時捕まえた蛾を日誌にはさんで保存した。それが下の写真だ。
ついでに、バグにちなんだ興味深い歴史を紹介しよう。
1988年の『Morris Worm』(別名『Internet Worm』)
ネット上で初めて拡散したワームで、インターネットに接続された数千台のコンピューターを停止に追い込んだ。
その原因は、作者Robert Morris氏による1つのプログラミング・ミスにあった。Morris氏はインターネットの規模を測定しようとしていたのだが、1つのエラーのせいで、インターネットにつながっていたコンピューターを逆にクラッシュさせてしまったのだ。
[Morris Wormは報道によって注目された世界初のワームと見なされている。Robert Morris氏は当時コーネル大学の学生だったが、コーネル大学が起源であることを隠すため、マサチューセッツ工科大学(MIT)から放たれた。損害額は1000万ドルから1億ドルで、この事件後、CERT/CCをはじめとするCSIRTが各国に生まれ、インターネットセキュリティの研究が活発化するきっかけとなった。同氏は有罪となり3年間の保護観察などの処分を受けが、現在はMITの教授]
1993年、デンバー国際空港のトラブル。
同空港の自動手荷物処理システムがトラブルを起こした[開港予定日に稼働できず、デバッグにも長時間が必要で、開港は16カ月遅れ、損害は45億ドルに上った(PDF)]。
このシステムは、最終的には2005年に完全停止された。こうしたソフトウェア・トラブルは、ソフトウェアの作成方法についての深い考察が数多くなされる契機となった。
2003年の北米大停電。
制御室のソフトウェアの暴走に原因の一部はあるが、複数のシステム内でトラブルが連鎖式に発生した結果でもある。
[北米大停電では、米国4000万人、カナダ1000万人が影響を受け、損害は60億ドル(約7000億円)に上ったとされる]
なお、ワイアード過去記事では、「史上最悪のソフトウェアバグ」10選を紹介している(日本語版記事)。