2007年11月にソニーがPS3向けゲームソフトの開発環境を大幅に強化したことをお伝えしましたが、開発に用いられるリファレンス・ツールを約5分の1の価格で提供するなど、さらなるテコ入れが行われることがソニーから発表されました。

すでにPS3専用ソフト「龍が如く3」が発売早々30万本以上を売り上げるなど、開発環境を強化した結果が現れ始めていますが、このテコ入れによってソフトがさらに充実するようになるのでしょうか。

詳細は以下から。
(PDFファイル)「プレイステーション 3」専用タイトル開発環境のさらなる強化
〜廉価な開発環境を実現する新リファレンス・ツールの導入〜


このリリースによると、ソニーは今月からPS3のゲームソフトウェア開発に必要な基本機能を集約したリファレンス・ツールの新モデルを従来の約5分の1にあたる20万円で提供開始したそうです。なお、北米では2000ドル(約19万4000円)、ヨーロッパでは1700ユーロ(約22万5000円)となっています。

これによりゲームソフト制作のコストを削減するとともに、大小規模を問わず幅広い開発者へのアプローチを推進するほか、ソフトウェア面でもPS3向けに最適化されたコンパイラ「SNC PPU toolchain for PLAYSTATION3」がゲームクオリティの向上や開発期間の短縮を実現しており、すでに「Fallout 3」や「Killzone 2」「龍が如く3」などの数多くのタイトル制作に活用されているそうです。

また、2008年2月に発表されたグラフィックス描画ツール「PhyreEngine」も、ソースコードを含めた完全パッケージでの提供や物理エンジンとの連携強化、技術ノウハウの公開などで開発効率をさらに向上させた上に、最新バージョン「2.40」にリアルな木や植物を自動生成できる新機能を搭載することで、クリエイターの表現の自由度がさらに高まるとのこと。

そしてこれらの取り組みを通じて、ゲームソフトウェア開発者の多様なニーズに合った開発環境を強力にサポートすることにより、PS3プラットフォームのさらなる普及を加速するとしています。

人気タイトルの発売が相次いだ結果、PS3ソフトの販売本数が初めて3週間連続で1位になったほか、本体の国内販売台数も300万台を突破するなど、ようやく普及の兆しが見えてきたPS3ですが、開発環境の強化や開発コストの削減で小規模なゲーム制作会社でも参入しやすくなることで、ゲームソフトが充実するようになるのはユーザーにとってもうれしいことかもしれません。

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