元イングランド代表監督のスティーブ・マクラーレンは、監督復帰を見越してスペイン語を学んでいると語った。

 ユーロ2008で24年ぶりとなる予選敗退を喫し、監督を解任されたマクラーレン。国内で激しいバッシングを受けた46歳は現在、現場復帰に向け準備を進めているという。その一環としてスペイン語のレッスンを受けているマクラーレンは、指導者として外国語の習得の必要性を感じているようだ。

「このところ、スペイン語のレッスンを受けているんだ。クラブで監督をしている時からレッスンを受けているべきだったね。マンチェスター・ユナイテッドやミドルスブラで外国人選手を獲得する際に、海外のクラブや代理人とやり取りをすることがあった。そんな時、よく恥ずかしい思いをしたんだ。程度は違えど、相手は必ず英語を話せるのに、こちらは外国語を一切話せないのだから。その頃から、時間が出来たら外国語を学ぼうと思っていた。それで今回はスペイン語を選んだんだ」

さらに、コーチングスタイルを学ぶべくスペインやオランダにも飛んだというマクラーレン。そこで文化やサッカー観の違いに気づかされたと語っている。

「イングランドでも、選手だけじゃなく、監督やコーチにも外国人が増えている。だからこそ、スペインやオランダといった国でどういった指導が行なわれているか知る必要があると思ったんだ。先日はスペインに飛んで、エスパニョールの練習に数日参加させてもらった。また、バルセロナの練習場ではフランク・ライカールト監督と話をさせてもらった。スペイン式のやり方はとても興味深かった。さらに、ティエリ・アンリとエイドゥル・グジョンセンには、スペインとイングランドの違いを聞かせてもらったよ。その前にはオランダに行って、PSVの練習に参加した。そこで、オランダ・サッカー界の真髄を学ばせてもらった。これからも多くの国を訪れたいと思っている」

 イングランド代表監督としてユーロ2008予選敗退という最悪の形で職を追われたマクラーレン。その代償は大きく、いまだ現場復帰を果たすことが出来ていない。「チャンスがあれば、海外で指揮を執ることも考えている」という46歳は、国外で実績を残し、イングランド国内での信頼回復を図る考えなのかもしれない。