melody.(撮影:野原誠治/ヘアメイク:小林友香)
 今年2月、11作目となるシングル「遥花〜はるか〜」を発表したmelody.。今月9日には、前作「READY TO GO!」からわずか9ヶ月で、4作目のアルバム「Lei Aloha」を発表する。「Lei」とは彼女の故郷であるハワイ原産の白い花をループ状に繋げた首飾りのことで、その一つ一つの花は「愛」を、それらが繋がっている首飾りは人と人との「絆」を意味する。ハワイで生まれ育った彼女が、夢見た日本での歌手デビューを果たし、5周年を迎えた今、自らの原点へと回帰する。

第1回「メッセージ性のある歌を歌っていきたい」(2008年03月26日)

――2003年2月にシングル「Dreamin’ Away」でのデビューから昨年7月に発表したサードアルバム「READY TO GO!」までのデジタルなダンスミュージックと一転して、今作ではアナログで体温の感じられるサウンドへと変化していて、melody.さんのヴォーカルも優しさだったり切なさだったり、感情表現がより繊細で表情豊かになっていて、柔らかで女性的な母性さえも感じさせるのですが、この約半年間でどのような変化があったのでしょうか?

melody.:去年の夏辺りから私のライブを観ていた人達はきっと「あ、こういう流れになったんだな」というのはナチュラルに分かるかもしれないんですけど、半年ぐらい掛けて、まずライブでバンドサウンドをやり始めたんですよ。去年の秋の学園祭もダンサーがいない状態で、完全にバンドだけというスタンスでライブをしたんです。きっかけは、「READY TO GO!」の制作が全部終わって、リリースされるちょっと前だったんですけど、「じゃあ、次はどういう方向性で行こうか?」という打ち合わせで、私が「ちょっとバンドサウンドをやりたい!」と言ったんですよね。それで、みんなにも賛成してもらって。

 なぜ、そういう形でやりたかったかと言うと、自分の声を考えると、今まで「READY TO GO!」の前の「Be as one」もそうなんですけど、R&Bっぽいビートの入っている曲もあったし、ダンスミュージックということを考えると、もうちょっと自分の声が例えばビヨンセみたいに迫力のあるbigな感じで歌えたら。groovyだったりsoulfulだったり、そういうのをやりたいと思っていたんですけど、でも自分の声はそうじゃない、というのをもう前から分かっていて。もっと自分の声を考えれば、R&Bとかよりは、もうちょっとバンドっぽい音の方がもしかすると自然にできるんじゃないのかな?と思っていて。そういうサウンドやってみたいって、ちょっと気になっていたんです。

 ライブでも、DJとかカラオケだったり、ダンサーと一緒に踊りながらやるというスタイルが結構多かったんですけど、それと同時にアコースティックのライブもやっていたんですね。そのアコースティックのライブはすっごくシンプルで、キーボードとアコースティック・ギターだけでやったり、多くてパーカッションがいたり、すごくシンプルな感じでやっていて。「ミーの声をこんなに丸出しで大丈夫なのかな?」みたいな不安はちょっとあったんですけど、意外とそれをやっている時の反応がすっごく良かったんです(笑)。「あぁ、みんなはいいと思ってくれているんだ」と思って、すごく嬉しかったんですね。それで「バンドサウンドでやってみたいなぁ」と思い始めて。

――アルバムって1年に1枚ぐらいのペースが一般的なので、約半年間でサウンドの変化があった上に、前作からわずか9ヶ月でのアルバムだったので…。

melody.:ビックリしたでしょ?(笑)。私も最初、いきなりアルバムというプランではなかったんですけど、シングルをレコーディングして、もう結構明確にアルバムのイメージがついていたので、「じゃあ、この勢いでアルバムに行っちゃおう!」ということになったんですよね。

――実際の制作期間はどれぐらいだったんですか?

melody.:実際すごく短かったですよ。全部で4ヶ月弱。だから、か〜なり!スケジュール的には大変だったんですけど(笑)。でも、完成のイメージがもうハッキリしていたから、曲選びも「こんな感じで」というのが全部あったから、すごくスムーズにいきましたね。