かつてイタリアのベンチでは試合中、煙草をくゆらす指揮官の姿がお約束だった。監督は多大なストレスと戦い続けなければならない。マッツァーリ監督(サンプドリア)やゼーマン監督がヘビースモーカーとして有名だ。
 3年前、公共の場での喫煙を厳しく禁じるシルキー法が同国で施行されて以来、多くのイタリア人が禁煙したといわれている。やはり紫煙の虜になっている、ミランのアンチェロッティ監督の場合はどうなのだろうか。

「いや、何も変わらないよ。変わったことといえば、試合の90分間だけは煙草をくわえなくなったことぐらいだ。
 アテネでの昨季チャンピオンズリーグ決勝を前に、娘のカティアと“もしミランが勝ったら煙草をやめる”という賭けをした。確かに賭けに勝ったのは彼女で、もちろん禁煙することには従うつもりだ。だが、私は“いつ”とは言っていない(笑)」

 3日のセリエA第21節ナイトマッチで、来季CL出場圏である4位の座をかけて、フィオレンティーナとの一戦に臨むアンチェロッティ。彼は娘に対してもしたたかなのだった。