表紙の女の子は「高速冷却型冷蔵庫少女」。『機械少女』は誌面デザイン的にもかなり思い切った内容で、各所に愛を感じます。担当デザイナーは萌えを理解している人物かと。Copyright(c)2007 Takashi Fujisawa / Inforest PC・GIGA. All rights reserved.

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身の回りの物を「とりあえず女の子にしてみよう」という発想は、アキバ系にとって基本中の基本です。この「萌え擬人化」というジャンルは「万物に魂が宿る」という日本古来の思想に、萌え要素が加わって生まれた秋葉原文化の極みであります。そんな数ある擬人化の中でも、かなりユニークな内容になっているのが、今回ご紹介する『機械少女(発行:インフォレスト)』です。

萌え擬人化の多くは、物に女の子の魂が宿る妖精的な設定が多いのですが、『機械少女』は「生身の女の子が機械を装着(融合)する」という設定になっています。これによって「機械+女の子のコラボ」と「擬人化」の両方に萌えられる内容となっているのです。さらに"機械少女"というシステムに「マシーナリー・ギャルズ・システム(MACHINERY GALS SYSTEM:略称"MGS")」という呼称を付けて、SF的な味付けも加えられています。これによって「本当に作れるかも」という"とんでもない妄想"が喚起され、リアルな親近感を持たせることにも成功しています。

内容はイラスト中心ですが、各機械少女の日常エピソードが漫画や小説で描かれたりもしていますので、ひとことで言うと"ストーリー付きビジュアルムック"という感じでしょうか。冷静に読むと道具的には正直役に立たなかったり、身長がミクロマンサイズ(133mm)の女の子がいたりと、ツッコミどころ満載ですが、細かい部分は気にしない方がいいでしょう(小さい女の子は宇宙人とか地底人と考えれば無問題!)。とりあえず「機械な女の子サイコー!」という脊髄反射なノリで楽しむのがオススメです。

オビを外すとこんな感じです。この表紙をめくると、表紙の線画に着色したカラーイラストが目に飛び込んできます。あえて線画を表紙に持ってくるところが制作サイドの心意気。裏表紙です。手前で目を瞑っている機械少女が「角型電熱ヒーター人肌仕様」。奥で手袋を付けているのが「自立駆動型衛星電話少女」です。工場を出た後は研修が待っています。


早速"機械少女"な女の子達をご紹介していきます。なお、表現の一部には私(レッド中尉)の妄想が含まれていることを先にお断りしておきます。なにしろこの『機械少女』は、読者が妄想力を膨らませながら読むタイプの本なので、妄想込みでないと解説が非常に難しいので……。実際読んでみると、以下の紹介文と違う印象を持つかもしれませんが、そこは大目に見てやってください。読者個人の心に芽生えた感情こそが正解だと思いますので、これはこれということで(汗)。

■自己発電型蓄電少女(エアロバイク型発電機+GAL)

女の子がサイクリングマシン型の発電機にまたがり、自転車を漕ぐ要領で発電するという夢の機械です。女の子はスポーツブラ+ホットパンツなスタイルで、若干ビリーなブートキャンプ風(ワンモアセッ!)。発電機を背負った姿がでんでん虫に似ているので、子供達から「でんでん」または「でんでんちゃん」と呼ばれているようです。とりあえずクリーンでエコロジーなエネルギーを作り出すところが、このマシンのウリ。これはコスプレの衣装を作って、発電のデモンストレーションとかしたら面白いかも…。イメージキャラとして採用してみてはどーです? ブリヂストンさん。Copyright(c)2007 Takashi Fujisawa / Inforest PC・GIGA. All rights reserved.

■自立駆動型衛星電話少女(レトロ風黒電話+GAL)

タレ目&おでこキャラな女の子の頭上に、受話器がカチューシャのようにセットオンされています。呼び出しは女の子が「ジリリリリリ!!」と"大声"でお知らせ。サイレントモードにすると、ご主人さまの背後へ黙って近づいてきます(無言のプレッシャーで伝達)。胸のダイヤル部分は手回しタイプがデフォルトですが、プッシュ型にも換装可能。電話という身近な機械だけあって、漫画の他に特別インタビューも掲載されています。日々の仕事ぶりを語るホンワカな味わいは、いい意味で同人誌のようであり、清純派アイドルの手記(ゴーストライター乙)のようでもあります。Copyright(c)2007 Takashi Fujisawa / Inforest PC・GIGA. All rights reserved.