アビダルのバルセロナ移籍が決定したことで、リヨンにとって残る大型の移籍案件はマルダに絞られた。

 スペインのスポーツ紙「アス」が29日、レアル・マドリーがオランダ代表のロッベンを獲得することでチェルシーと合意、と報じ、ロッベンと同じ左利きであるマルダのチェルシー入りがますます濃厚になったと見られている。

 同紙によると、チェルシーはロッベンの移籍金として2000万ユーロ(約33億円)を手にすることになり、これがマルダ獲得の軍資金となり得る。リヨンはマルダ放出の条件として2500万ユーロを要求しているが、アビダルのケース(2000万ユーロを要求し、1500万ユーロで決着)を考えると、2000万ユーロ付近で合意が成立する可能性は高い。なおこれまでチェルシーは1700万ユーロのオファーをリヨンに提示したと報じられている。

 マルダがリヨンの地方紙「ル・プログレ」に語ったところでは、チェルシーへの移籍が認められなければ、7月2日からはじまる練習をボイコットすることも辞さない構え。マルダは「2日までに僕の移籍が決まれば、誰にとってもいいはずだ。なぜなら、僕はリヨンを出たいし、リヨンでシーズンをはじめる気はないからだ」と決意を語っている。

 長らくリバプールかチェルシーかで迷っていたマルダだが、獲得に熱心なモウリーニョ監督の発言と、リーグ・アン(当時)のギャンガン時代にチームメイトだったドログバの誘いに心を動かされ、「僕が行きたいのはチェルシー」と明言するに至っている。ロッベンのレアル移籍が決まれば、この思いはいっそう固まるに違いない。あとは「アビダルとマルダは同時には出さない」と発言していたリヨン・オラス会長の出方次第ということになる。