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 文化系女子の間で人気の「メガネ男子」。ところで、メガネ男子がもてはやされているのってここ数年の現象ですよね? 一昔前では、メガネのイメージと言えば「オタクっぽい」、「運動ができなさそう」、「暗そう」と散々な評判でした。一昔前まで、欧米諸国の人々が日本人男性を揶揄するときに使うイラストには、カメラを首から下げて妙に縁の大きなメガネをかけている背の小さな男が描かれていましたよね。このように、メガネは決してオシャレアイテムではなかったわけです。

 そんなメガネがいつの間にかオシャレなアイテムとして認知されている。これには古くからメガネのイメージの向上に努めた有名人がいるはずだ。『昭和のメガネ男子』は誰か? 2005年に書籍『メガネ男子』を編集し、後のメガネブームを作ったといっても過言ではない株式会社ハイブライトの方にお話を聞いた。

 「うーん、昭和のメガネ男子ですか? 難しいですね。昭和期でメガネの有名人と言えば『大橋巨泉』や『横山やすし』になるんでしょうね。実際にメガネ男子を編集する段階で、女性に萌えメガネは誰かと話し合ったところ、昭和期から活躍する人で名前があがったのは、先述の2人に加え『大江千里』、『佐野史郎』、『森本レオ』なんかの名前が挙がりました」(ハイブライト 『メガネ男子』担当 大嶋さん)

 なるほど、納得の名前。ちなみに『メガネ男子』の本に掲載されているメガネ有名人の中で、昭和から活躍している人をずらずらっと挙げると、三國連太郎、所ジョージ、うじきつよし、ケント・デリカット、サエキけんぞう、高橋源一郎などなど。さらには日本が世界に誇る手塚治虫の名前も。昔からメガネの有名人は活躍していたが、俳優やミュージシャンに限って言えば、『個性派』と呼ばれる人にメガネが多かったようだ。ケント・デリカットはメガネを前後して目を大きく見せるギャグ(?)を売りにして活躍したが、やはりメガネ=オシャレ、モテという図式は、この時期はまだ完成していなかったようである。

 時代は平成に入り、メガネのイメージは向上していく。中でも、平成2年にドラフト2位でヤクルトスワローズに入団した古田敦也選手の存在が大きい。それまではどうしても運動オンチというイメージがぬぐえなかったメガネ男子が、プロ野球選手となったことでメガネ男子のイメージは急上昇した。そして平成5年、ドラマ『あすなろ白書』に木村拓哉がメガネをかけて出演。さらに2年後の平成7年には映画『レオン』で俳優のジャン・レノが日本でも大人気となる。この頃に、メガネ=オシャレアイテムというイメージが成立し、今に至るようだ。

 調べていて、メガネ男子が女子のハートを熱くするようになったのはほんのここ数年の出来事だということが分かった。ちなみにこれを書いている筆者も小さい頃から目が悪く、メガネ愛好家なのだが、ケント・デリカットの頃よりいい時代になって本当によかった。(梅田カズヒコ/verb)

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