つくばエクスプレスが2030年に8両編成化、ホームや留置線の延伸に着手
いよいよつくばエクスプレスが8両編成化へむけて動き出した―――。
つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道は、今年度から8両編成化事業に着手する。
2030年代前半に8両編成でのサービス開始をめざす。
おもな整備内容は、8両編成車両の運行に必要な設備関係工事、秋葉原駅からつくば駅の全線、ホーム延伸、留置線の延伸、総合基地などにかかわる工事。8両編成化に必要な車両の調達。
事業期間は、10年を超える事業期間を予定。終電から始発までの作業可能な2〜3時間で、安全・安定輸送を維持する保守・修繕等と並行して行う工事に。
同社線は、地下と高架の完全立体構造で限定された部分からの資材搬入で、資材運搬だけでも時間を要することからこの期間が設定された。
概算事業費は、設備関係工事費が360億円程度。
これは、各駅のホーム延伸、車両留置線の延伸、変電所の増強、総合基地内設備の新増設、機械設備の新増設、信号通信設備の新増設などにかかる費用。
車両調達費は未定。必要数量を今後決定する。
事業効果は、1編成あたりの輸送力が6両編成時に比べ30%程度増加。
朝ラッシュ時間帯に適切な8両編成車両数を投入することにより、今後の旅客需要動向を考慮しても同時間帯の混雑率は150%を下回る程度まで低減することが可能に。
また同社線の混雑率は、現在の169%(2018年度)から25本化事業の実施によりいったん155%程度(2020年度)まで低下する見込み。その後の利用者の増加を見込んでも150%を下回る程度まで低減できると見込む。
さらに、駅のホーム延伸もすすめる。地下駅のホーム延伸工事は、現在ホーム混雑緩和を目的に秋葉原駅で実施。
八潮駅や流山おおたかの森駅など高架駅(11駅)の工事では、ホーム延伸部分の屋根・壁の増設や、それにともなう防音壁を撤去する。
そして駅ホーム延伸のほか、8両編成の車両を留置するため、総合基地と八潮駅の留置線を車両6両(約120m)から8両分(約160m)に延伸する。