JR東日本の進める「品川開発プロジェクト(第1期)」が、都市計画決定されました。高輪ゲートウェイ駅周辺に、「グローバルゲートウェイ品川」のコンセプトのもと、複数の高層ビルが立ち並ぶ計画です。

「品川開発プロジェクト(第1期)」が始動

 JR東日本は2019年4月22日(月)、高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)の周辺で進めている「品川開発プロジェクト(第1期)」が、都市計画決定されたと発表しました。

 2020年春、山手線と京浜東北線の田町〜品川間に新駅の高輪ゲートウェイ駅が開業する予定です。この駅に隣接する形でJR東日本は現在、品川開発プロジェクト(第1期)を進行中。今回、この都市計画が、国家戦略特別区域会議と内閣総理大臣による認定を受けました。


港南側(東側)から高輪ゲートウェイ駅(右下)と、4街区・3街区を望む(画像:JR東日本)。

 計画は、港区の港南二丁目、芝浦四丁目、高輪二丁目、三田三丁目にまたがる約9.5ヘクタールの敷地(都市再生特別地区)に、北から「1街区」「2街区」「3街区」「4街区」を設定。1街区と3街区、4街区は高さ約164m〜173m(地上30階〜45階)の高層ビルが建てられます。建物には、居住施設(約860戸)をはじめ、インターナショナルスクール、多言語対応の子育て支援施設、文化創造施設、宿泊施設などが入る計画です。

 品川開発プロジェクト(第1期)は、まちづくりのコンセプトである「グローバルゲートウェイ品川」にふさわしい景観を実現させるため、まち全体のデザイン構想では、建築デザイン事務所の「Pickard Chilton(ピカード・チルトン)」と「隈研吾建築都市設計事務所」が起用されました。

複数の建物を「日本列島の島々」に見立てる

 JR東日本によると、街全体のデザイン指針として、各街区の複数建物を「日本列島の島々」に見立てて「アーキペラーゴ(列島)」を創出。さらに、かつて海岸線であった場所の記憶を想起させる滑らかな「フロー(流れ)」のような歩行者ネットワークを整備するといいます。


港南側(東側)から4街区の南棟(左)と北棟(右)を望む(画像:JR東日本)。

 低層部は各建物の豊かな緑を連ねることで、都市に“緑の丘”を構築。高層部は頂部に統一した動きをつくり、各建物が個性を持ちながらも「群としての一体感」を表現。高輪ゲートウェイ駅前は、「エキマチ一体まちづくり」の象徴として、和を感じられるデザインの新駅と、緑豊かで滑らかな曲線を持つ4街区建物によってつくり出される「360度の広場空間」を形成するということです。

 街の中心となる4街区のデザインは、Pickard Chiltonと検討。外装は「象徴的なアイデンティティの創出」「ヒューマンスケールな空間表現」「海岸線を想起させる全体デザインに調和する『フロー』が生み出す良質な空間形成」をデザインの指針としています。

 品川開発プロジェクト(第1期)は、2020年ごろの工事着手を目指して関係各所と調整が進められます。「まちびらき」は2024年ごろの計画です。