12月3日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に、殺害予告を受けた数がジャスティン・ビーバーに次ぐ世界第2位と噂される唐澤貴洋弁護士が出演し、一部のネットユーザーの注目を集めた。

ネット上の法律問題が専門という唐澤弁護士は、自身でも「炎上弁護士」と題した書籍を出版している。番組では終始淡々とした態度で「2018年のネット炎上事件簿」を解説し、「炎上弁護士が炎上を解説する」というシュールな様相を呈していた。(文:okei)

石田ゆり子さんの投稿は「問題ない。誹謗中傷コメントをした人のほうが責任を負う可能性」

唐澤弁護士が炎上騒ぎに巻き込まれ出したのは2012年頃のこと。匿名ネット掲示板で炎上した依頼人の弁護を受け、誹謗中傷への削除請求をしていたところ、加害者らが唐澤弁護士の身元を特定。唐澤弁護士自身も「殺害予告」を受けるようになってしまった。

カッターナイフ入りの封筒を送られたり、墓石にいたずら書きをされたり、ポストに大量のピラフを入れられるなど、大変な嫌がらせを受けている。しかし唐澤弁護士は「ネット上の法律問題を扱う弁護士は大なり小なりこういうことがある」と冷静にコメントしていた。

そんな唐澤弁護士が解説したのは、ホリエモンこと堀江貴文氏や、女優の石田ゆり子さんなどの炎上案件だ。

堀江貴文氏は今年10月、タクシー運転手との口論を動画ライブ配信。相手の顔がはっきり映る状態で生配信したことで、物議を醸した。堀江氏の主張はタクシー運転手の乗車拒否に対して異議を唱えるためというが、

「タクシー内での堀江さんの発言は過激な部分もあり、乗車拒否が認められる『道路運送法第十三条』に該当する可能性がある」

とのこと。これが認められれば、堀江氏は顔を勝手に撮影した「肖像権の侵害」で、民事訴訟を起こされてもおかしくないという。

5月には石田ゆり子さんがSNSで、アパレル店員に話しかけられる煩わしさをつぶやいたことに「ヌードで詫びるしかない」などと批判が殺到、投稿が削除された。これに関しては、「石田さんの発言自体は、接客に対する個人の感想でまったく違法ではない」と説明。むしろ、誹謗中傷コメントをした人の方が、IPアドレスを特定の上、責任を負わされる可能性がある」と解説した。

勝間和代さん「ネットは匿名だと思わないほうがいい」

この「IPアドレスの開示で書き込み主を特定する」という方法は、まさに唐澤弁護士が炎上したきっかけとなった方法だ。唐澤弁護士の解説によれば、

「1.運営者・管理者にIPアドレス(ネット上の住所)の開示を求める
2.IPアドレス管理のプロバイダーに契約者情報を求める
3.全てうまくいくと犯人を特定できる」

とのことだ。

経済評論家の勝間和代さんも同じ方法で犯人を特定した経験を語ったが、勝間さんをまったく知らない、「なんだか分からないけれどお祭り騒ぎになっているから参加しただけの、ただの高校生だった」という。「(ネットは)匿名だと思わないほうがいいです」と釘を刺していた。

唐澤弁護士のテレビ出演について、過去の炎上騒ぎを知る視聴者からは、「唐澤弁護士がテレビに出ている」とざわつくツイートが相次いだ。各種ツイートからは、唐澤弁護士の炎上をお祭り騒ぎのように楽しんでいる人が多いこともうかがえた。当の唐澤弁護士は、過去の炎上に関する著書『炎上弁護士』の宣伝を怠りなくしていた。注目を浴びる理由には、ハートの強さもあるのかもしれない。