by darksouls1

怒りや悲しみを誇張した表現として「血の涙を流す」という言葉が使われますが、実際に目から血の涙を流した男性の症例が報告されました。ただし、男性は外傷を受けたわけではなく、痛みも経験していなかったそうです。

Hemolacria - Crying Blood | NEJM

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1805241

Man's Bloody Tears Were Caused by This Rare Condition

https://www.livescience.com/63983-bloody-tears-rare-condition.html



The New England Journal of Medicineによると、イタリアに住む52歳の男性は、ある日突然、血の涙を両目から流すようになったとのこと。男性は顔に外傷を受けたわけではなく、過去に同様の症状が出たこともなかったそうです。さらに、流血しているにも関わらず痛みはなく、視力も通常通りで特に問題らしい問題はありませんでした。

実際にその時撮影された写真がこれ。クリックでモザイクが外れます(閲覧注意)



男性は病院の緊急治療室に向かいましたが、流血が始まって1時間ほどすると、自然と涙は止まりました。

医師は男性に男性に対して「Haemolacria」という診断を下しました。Haemolacriaは「血の交じった涙を流す」症状全般を指し、目の感染症や炎症、あるいは涙管に発生した腫瘍など、複数の原因によって引き起こされるものと考えられています。中には鼻血が逆流して目から血の涙が流れたというケースもあり、その女性は鼻血を止めようと鼻をつまんでいたところ、出口を失った血液が目から流れ出たそうです。

検査を行った結果、今回のケースは血管腫と呼ばれる腫瘍が男性の両目のまぶたにできていたとのこと。血管腫は皮膚などに太くなった血管が集まることなどによってできものが発生することで、通常は生まれてまもない乳幼児に現れます。男性はチモロールという眼圧を減らす点眼を処方され、その後、症状は現れなくなったとのことです。