サヨナラ打を浴び天を仰ぐ上野由岐子【写真:荒川祐史】

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今後も「背中で引っ張る」、米国雪辱に意欲「五輪が次の勝負。勝てる試合を」

 ソフトボールの世界選手権(ZOZOマリン)は12日、決勝で世界ランク2位の日本が準決勝で敗れた同1位の米国に延長タイブレークの末に6-7で10回サヨナラ負け。2大会ぶり4度目の優勝を逃した。7回完封した3位決定戦から“中3時間半”で先発したエース・上野由岐子(ビックカメラ高崎)が162球7失点で“魂の1日2完投”も力尽きた。

 上野が天を仰いだ。無情にも打球は三塁線を破った。6-4で迎えた延長10回裏、2点を奪われて同点とされると、2死からサヨナラ打を献上。この日の249球目、日本のエースが最後に力尽きた。

 試合後、上野は「みんなが6点取ってくれたのを守り切れなかったのが大きな反省。(連投は)それが理由にはならない。信頼されてマウンドに上げてもらっている。期待に応えられなかった。6点を守り切れなかったことが申し訳ない気持ち。ファンの皆さんの声が力になった。上野コールで背中を押せてもらっていた。なんとか期待に応えたかったが、残念。申し訳ない気持ち」と頭を下げた。

 体力面についても「こういう状況の中でもっとコントロールを磨いていかないと。甘くなったボールを打たれている。球数が増えたときにどういう投球ができるか」と言い訳せずに課題を挙げた。今大会2敗を喫した対米国には「自分と山田で引っ張っていかないといけない。自分で抑えて山田が打つことを軸にしながら。若い選手も打ってくれて、藤田もいい投球をしてくれた。これがチーム。もっとチーム力を上げていくことがすべて」と先を見据えた。

「背中で引っ張らないといけないし、背中を押していけるようなそういうアドバイスもしていかないといけない。色々な意味でチームの力になれるように」と今後もチームを牽引する覚悟を語った上野は「五輪が次の勝負になる。次の勝負だと思う。監督も含めて戦い方を考えて行かないと。そこは意思疎通させながら、自分自身も磨いていかないと。勝つことを求められている。今回も結果は残せなかったけど、オリンピックでリベンジできればいい。次は勝てる試合を」と2年後の雪辱を見据えた。

 日本は前日11日の準決勝・米国戦に延長8回サヨナラで敗れ、敗者復活を兼ねたこの日の3位決定戦に回り、上野が87球で7回完投。エースは“中3時間半”という過酷なローテーションとなったが、36歳の鉄人は歴史的死闘で最後に力尽きた。(THE ANSWER編集部)