中国でも近年はクォリティの高いアニメも登場しているが、やはり内容は子ども相手のものばかりで、青少年や大人が楽しめるコンテンツは少ない。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では若者を中心に日本のアニメや漫画の人気が高く、日本で有名な作品は中国でも広く知られている。中国も近年はアニメや漫画を産業として成長させようと意欲を燃やしており、実際に進歩も見られるというが、それでもまだ日本のアニメとの差は大きいようだ。

 中国メディアの快資訊は5日、「中国アニメと日本アニメの違い」を考察する記事を掲載し、日中のアニメの違いや中国アニメが日本のアニメに敵わない理由について考察している。

 まず記事は、日本と中国では「アニメがターゲットとしている年齢層」が大きく違っていると伝え、中国アニメがターゲットとしているのはあくまでも「学齢期の児童」だと紹介。それゆえ、動物や植物などが主人公となり、内容も子どもが理解でき、子どもが楽しいと感じるものであるため、大人にとっては「物足りない」内容であることを強調した。

 一方、日本のアニメは作品によって違いはあるものの、産業として見ると「すべての年齢と性別」をターゲットにしていると紹介。主人公はあくまでも人間であり、学校生活などを題材にしているアニメも多いため、より多くのターゲットを対象に事業を展開できていると指摘した。

 さらに記事は、日中のアニメでは投入される資金の額に大きな差があることを指摘したほか、アニメにおいて重要な存在である「声優」の力量にも差があると強調。日本には声優を専門に育てる学校まであるのに対し、中国でアニメの声優をつとめるのは一般的に歌手やラジオのパーソナリティーであり、声優の「専門性」に大きな違いがあることを紹介している。

 中国でも近年はクォリティの高いアニメも登場しているが、やはり内容は子ども相手のものばかりで、青少年や大人が楽しめるコンテンツは少ないのが現状だ。しかし、こうした課題は中国のアニメ業界も認識していることであり、今後は中国から日本アニメに匹敵するような内容かつ、青少年をターゲットとした作品が登場する可能性は大きいと言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)