山中慎介は無事パスするも…【写真:Getty Images】

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重量超過で王座剥奪…母国TV局が“ぐったり憔悴”動画公開も…ファン「なんて愚か」

 ボクシングのWBC世界バンタム級タイトル戦で、挑戦者の前王者・山中慎介(帝拳)と戦う王者ルイス・ネリメキシコ)が2度の計量でリミットをオーバーし、王座剥奪が決まった。ネリの地元メキシコのテレビ局は、2度目の軽量をパスできず、ぐったりと憔悴する動画を公開。しかし、映像を観た地元ファンから「言い訳無用だ。無責任男」「メキシコボクシングの何という恥」と怒りの声が上がっている。

 ネリの地元メキシコのテレビ局「アステカ」は公式ツイッターで2度目の軽量失敗直後に憔悴するネリを紹介。「ルイス・豹・ネリは計量でWBC世界バンタム級タイトルを失う。メキシコ人は減量できなかった。ホルヘ・アルセが不運な失敗後、慰めようとする」というメッセージとともに、44秒の動画を公開した。

 計量会場で白いタオルで身体を覆い、椅子に座り込んだネリ。無数のカメラのフラッシュを浴びせられ、机に突っ伏して完全に疲れ果てた様子だ。ようやく顔を上げ、左手でコップを握り、水分補給したが、すぐさま自ら腕枕をした状態で目を瞑り、取り囲んだトレーナーなど4人の関係者の問いかけに応じるのが精一杯。2度目の計量に向け、追い込んだ代償は大きかったようだ。

 山中は53.3キロでパスしたが、ネリは1度目で55.8キロで再計量に。2度目も54.8キロで規定の53.5キロをクリアできなかった。戦わずして王座剥奪が決まり、メキシコボクシングファンは減量失敗という結末に怒りを爆発させていた。

ファンから不満の声「彼の準備とプロ意識のあまりの酷さを物語っている」

 ツイートの返信欄には不満の声が集まっていた。

「言い訳無用だ。無責任男」
「男らしく防衛できなかったのに、少女のように泣くんじゃない」
「豹(ネリの愛称)はしつけできないということか。彼らのリングに対する態度が人生と真剣さを表している」
「無責任だ!」
「世界王者が計量で剥奪なんて信じられないよ」
「彼の準備とプロ意識のあまりの酷さを物語っている」
メキシコボクシングにとっての何という恥なんだ。逃げ腰の無責任王者」
「なんて愚かなんだ」
「酷いボクサー。今や無責任。偉大なアマチュアの才能がいるのに、なぜWBCはこんな平凡なボクサーに注視しているんだ」
 
 ボクシング強国のメキシコファンは自国の前王者の疲れ切った姿を見ても、怒りを収めようとしなかった。昨年8月の山中との前回対戦で禁止薬物で陽性反応を示した前科もあるネリだけに、母国からも厳しい視線を浴びている様子だ。(THE ANSWER編集部)