イタリアの町・ヴェネツィアはラグーナの上に築かれ運河が縦横に走っていることから「水の都」「アドリア海の女王」などと呼ばれていますが、2018年1月31日に出現したスーパーブルーブラッドムーンの影響から水位が減少、水の都から水が消える事態になっていました。

‘Super blue blood moon’ leaves Venetian gondolas stranded on dried-up canal banks | National Post

http://nationalpost.com/news/world/super-blue-blood-moon-leaves-venetian-gondolas-stranded-on-dried-up-canal-banks

Venice canals dry up after super blue blood moon and low rainfall cause water levels to drop | The Independent

http://www.independent.co.uk/news/world/europe/venice-super-blue-blood-moon-canals-dry-rainfall-lagoon-water-levels-drop-a8191581.html

Venice without water: Gondolas helplessly abandoned on dried-up canals after water levels are the lowest since records began - and it has not stopped sinking -pictures and video - Strange Sounds

http://strangesounds.org/2018/02/venice-water-levels-are-the-lowest-since-records-began-with-some-canals-almost-completely-dried-up-and-it-has-not-stopped-sinking.html

ヴェネツィアと聞いて以下のような運河の流れる優雅な町の光景を思い浮かべる人も多いはず。



by Sinziana Susa

しかし、このヴェネツィアから水が消える事態になっています。水のないヴェネツィアの様子は以下のムービーから見ることが可能です。

過去には高潮問題が起こったこともあるヴェネツィアですが、2015年頃から水位は毎年平均を下回る傾向にあり、2018年も平均よりも60cm低くなっています。なお、2016年には66cm、2008年と1989年には平均よりも90cm低くなったという記録があり、水位が大きく低下する減少は過去にも何度か見られていました。過去最低記録は1934年の121cmとのこと。

今回の水位の低下は、2018年1月31日に出現したスーパーブルーブラッドムーンがトリガーとなっており、ヴェネツィアでは水位が低下しましたが、オーストラリアとパプアニューギニアの間にあるトーレス海峡の島々ではキングタイドが起こり、シドニーでも2mの高潮が見られました。ただし、以下のような写真の状態は一時的なもので、既にもとに戻っているようです。

これが運河の状態。水がなくなり、ボートが泥の中に沈んでいます。



ほんの少し水が残っている部分がありますが……。



「水の都」とは呼びがたい光景です。



活躍の場がなくリアルト橋近くにくくりつけられるボートたち。





なお、地中海の水位は2100年までに最大140cm上昇すると予測されており、その影響を受けてヴェネツィアも数十年以内に水中に沈む可能性があると2017年の調査で示されています。