ジャスティン・トーマス【写真:Getty Images】

写真拡大

「スポーツの名珍場面総集編」…6月にゴルフ全米OPでトーマスが演じた仰天パット

 2017年のスポーツ界を沸かせた名シーンを連日にわたって振り返る「名珍場面2017」。今回は6月にゴルフの全米オープンで決まった「ファン唖然の“そっぽ向きパット”」だ。傾斜の上段からカップに対し、真横に打ち出したボールが急速にスライスしてカップイン。仰天シーンを大会公式ツイッターが動画付きで紹介すると、ファンから「魔法のようだ」「パットオブザイヤー」と絶賛の嵐となった。

 なぜ、そんな軌道で入るのか。世界のファンを唖然とさせたのは、ジャスティン・トーマス(米国)だ。5番パー4。グリーンから、わずかにこぼれたピン横6メートルのバーディーチャンスの場面だった。しかし、傾斜の上段から急激に下る難解なスライスライン。打ち間違えば大きくオーバーし、一転して3パットの可能性も生まれる状況だった。

 ここで、トーマスは驚きの構えを見せる。なんとカップに対して正対して向き合って構え、そのまま真横に打ち出したのだ。慎重に打ち出されたボールは1メートルほどで下りに入り、急速に右方向へ。コロコロと勢いを増しながら、カップから磁石で引き寄せられているかのように向かって転がっていく。まさか――。観衆もざわめき立った次の瞬間だった。

 すでに打ち終えたパターを下ろし、直立したトーマスに見守られたボールは、やがてカップへ消えた。仰天のバーディーパットが決まると、トーマスは力強くガッツポーズを2度披露。熱狂したファンの大歓声を浴び、右手で応えてみせた。

ファンは唖然と驚嘆「こいつはクレイジー」「非現実的プレー」「人間離れしている」

 信じられない軌道を描いたシーンを大会公式、PGA公式ツイッターがこぞって動画付きで紹介。映像を見ると、90度以上曲がっているように見え、ファンから「彼はホールと確かに向き合ったと主張したい」「なんて偉大なパット」「こいつはクレイジー」「パットオブザイヤー!」「魔法みたいだ」「非現実的プレー」「人間離れしている」と唖然と驚嘆のコメントが相次いでいた。

 ここから勢いづいたトーマスは1イーグル、9バーディー、2ボギーの「63」で大会レコードをマーク。この大会は結局、9位にこそ終わったが、8月の全米プロゴルフ選手権ではメジャー初制覇。9月のフェデックス・カップで年間王者に輝き、24歳ながら一躍、超一流の仲間入りを果たした。

 充実のシーズンでも「パットオブザイヤー」と称賛されたトーマスの「そっぽ向きパット」は、2017年のゴルフ界でも多くのファンの記憶に残る一打となった。