「ベッキーさんって相手は既婚者でしたよね。もし離婚した奥さんから訴えられたら、慰謝料って彼女が払うのかなあ……」(40代主婦)
 
ここ最近の不倫報道の主役は、斉藤由貴や山尾志桜里などもっぱら女性という印象が。実際、不倫で女性が慰謝料を支払うことってあるの? そこで、離婚など夫婦問題に強い弁護士の打越さく良さんに聞いた。
 
「そもそも慰謝料とは、受けた精神的苦痛に対して、お金に換算して解決する『賠償金』のこと。当然、苦痛を与えたほうが、男女問わず払います。ただ、過去の判例を見ても夫が支払う場合が圧倒的に多く、妻が慰謝料を支払うケースは全体のおよそ1割くらいでしょうね」(打越さん)
 
早速、読者から寄せられた声をもとに、「離婚原因別・慰謝料の相場」ケーススタディを始めよう。
 
■不貞
 
「結婚後わずか3年で夫が不倫。一度や二度ではなく、『不倫は文化』とか言いだしそうな夫への腹いせに、私も去年“同窓会不倫”しました。でも逆に、夫にメールを盗み見られて証拠を握られてしまいました。夫は『これ幸い』と離婚を切り出してきて……。もしかして私、慰謝料を取られちゃうんでしょうか?」(39歳女性・会社員)
 
【打越さんの解説】「妻の不貞に夫が慰謝料440万円請求し《妻が慰謝料150万円を支払う》判決が出た事例があります。妻が『夫も不倫していて風俗通いもある』と主張し、裁判所が離婚原因を『妻の不貞だけにあるとは認めがたい』として慰謝料額が抑えられたんです。ただ、妻に明らかに原因があって高収入だったりすると、数百万円という判決になる場合もあります」
 
■ハラスメント
 
「結婚前は優しかった夫が、次第に言葉の暴力がきつくなってきました。酔って帰ってくると、料理に箸もつけず、『お前の飯はまずくて食えねえんだよ』。家事も育児もぜんぶ私がやってきたのに、『誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ!』とか、私がパートに出ようとすると、『店の迷惑になるだけ、ダメだ!』と。これってモラハラですよね」(55歳女性・主婦)
 
【打越さんの解説】「身体的に危害が加えられるDVであれば、診断書やケガした箇所の写真の存在で慰謝料を認められやすいとはいえますが、大きな金額にならないこともあります。さらに、立証が難しいモラハラでは、財産分与にプラスαした慰謝料くらいにしかならない。せいぜい100万円程度でしょうね」
 
■悪意の遺棄
 
「会社員の夫が外に愛人をつくり、家を出て行ってしまって、3年になります。まだ中学生の息子がいますし、私はファミレスでバイトしています。離婚したら、夫から慰謝料をもらえるのでしょうか」(50代女性・主婦)
 
【打越さんの解説】「生活費を渡さなかったり、妻子を置いての長期間の家出などを『悪意の遺棄』といい、慰謝料が認められることがあります。また、別居期間の生活費や養育費などは『婚姻費用』として夫に請求できるんです。この額は双方の年収や子どもの数などで変わってきます」
 
ところで、不倫やモラハラで支払う側が妻になる場合、慰謝料に差は出るのだろうか。
 
「いえ、男性であれ女性であれ、支払う人の資力が判断基準になるようです。日本では、男性が女性より平均収入がまだまだ多いですから、男性の支払う慰謝料のほうが、平均すれば高いはずです」(打越さん)
 
とはいえ、支払われる額は「千差万別」で「裁判官の感覚にもよる」となれば、結局、判決が出てみなければわからない、ということになる。
 
これまでに2万件以上の離婚相談に乗ってきた男女問題研究家の山崎世美子さんは、「敵(夫)はやすやすとお金を渡さない。先手必勝です!」と言ってこう説明する。
 
「慰謝料の相場は、夫の年収が1,000万円だとしてもせいぜい200万〜300万円くらい。養育費でさえ7年もすれば、半分以上の人が払わなくなるのが現実です。最初にまとまった額を得る必要がありますね」(山崎さん)
 
“慰謝料GETの裏ワザ”を、山崎さんが教えてくれた。
 
【1】3カ月間は悟られずに準備
 
「夫に預金を隠されたらアウトですので、専門家や友人への相談は絶対に水面下で」(山崎さん・以下同)
 
【2】口座情報を控え通帳を凍結
 
「夫の給与振込口座にある金額は『夫婦の共有財産』であり、妻は半分を得る権利があります。夫のキャッシュカードの口座番号をぜんぶ書き出しておけば、『離婚調停を始めるため』という名目で、銀行口座を凍結できます。そうすれば夫は預金を勝手に引き出せません」
 
【3】裁判をせずに慰謝料を“前倒し”
 
「裁判になると2〜3年は要するもの。弁護士費用や成功報酬も高額になります。夫が同意するなら『100万円払って』と、示談で得たお金を、慰謝料代わりにする手もあります」