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 コンビニやドラックストア、ネット通販などでよく見かける有名メーカーの人気定番商品がある。世間に名が知られているからといって、必ずしもその商品の効果を裏付ける根拠にはならないし、広告の内容を鵜呑みにするわけでもないのだが、なんとなく手が伸びてしまいがちだ。

 しかし、それら定番商品の中には科学的な根拠が希薄で、想像以上に効果がない商品も多く存在しているという。

 そこで本記事では、人気商品の謳い文句とその実際の効果を科学的根拠や研究論文を参照したうえで紹介する『買ったら損する人気商品』の著者である鈴木祐一郎氏から、科学的根拠の乏しい人気商品を3つ選んでもらい、解説してもらった。

◆美顔ローラーは単なるリラックス効果のみ!?

 プロのフェイシャルマッサージを再現する特殊なローラーで、頬やアゴ周りをもみほぐし、肌に張りやツヤが出すという「美顔ローラー」。なかでも近年大ヒットした「ReFa」シリーズの累計販売数は500万台を超えているが、本当に宣伝どおりの美顔効果は期待できるのか?

「残念ながら現時点で美顔ローラーの効能を調べた研究は存在しませんが、『ReFa』の商品説明には、『プロの手技であるニーディング(フェイシャルマッサージの一種)を再現』と書いてあるので、フェイシャルマッサージの効果について調べた研究が参考になるでしょう」(鈴木氏)

 フェイシャルマッサージの効果については、ゲント大学が2014年に行った科学的にも信頼性が高いとされる有名な研究がある(Van Borsel J1,et al.“The effectiveness of facial exercises for facial rejuvenation: a systematic review.”)が、その結論はなんとリラックス効果を認めるのみで、フェイシャルマッサージで美肌になるという科学的証拠はないというものだった。

「リラックスはいいことですが、そのために数万円を払うべきか疑問かもしれません。ゆっくり風呂に入っても同じ効果は得られますから」(同)

◆スマホ保護シートでスマホは守れない!?

 スマホ周辺のアイテムでもっとも売れているのが「液晶保護シート」だ。端末を落とした衝撃で画面にヒビが入ったり、細かなスリキズが入ってしまうのを防ぐ、定番の商品である。しかし実際にあれだけ薄いシートで、本当に液晶画面を守れるのか疑問に思う人も少なくないはず。

「基本的にいまのスマホのタッチパネルには、『化学強化ガラス』が使われています。これは一般的なプラスチックよりもはるかに強度が高く、落としたぐらいではキズはつきません。また最近のスマホでは最初から飛散防止シートが液晶表面に貼ってある機種も増えており、ちょっとした摩擦ぐらいでは、キズが発生しないようになっています」(鈴木氏)

 しかも、画面が割れるぐらいの衝撃があった場合は、高価なシートを貼ったところで焼け石に水だという。もっとも近ごろの液晶保護シートには、キズ防止や衝撃から守るためだけでなく、のぞき見や指紋が付くのを防いだり、ブルーライトを吸収するのを目的としたものも多い。そうした使い道で保護シートを買う分には特に損はしないだろうが…。

◆防水スプレーが人体にもたらす意外なリスク

 現在の防水スプレーはフッ素樹脂とシリコン樹脂を配合したものが主流。そうした製品はユーザーからの評価が高く、ネットなどでも「質感を損ねません」「バッチリはじいてくれます!」などの感想が見受けられる。

 鈴木氏も「特にフッ素樹脂は雨や雪、ドロのほかに油汚れもよせつけない」と効果を認めるが、そこには大きな問題が。

 実はフッ素樹脂とシリコン樹脂のどちらも、粒子が非常に細かいため、吸い込むと肺の奥に達して炎症を起こし、呼吸器系の障害を起こしやすいのだ(参照:国民生活センター)。

「1992年末から1994年にかけて、呼吸困難、せきなどの中毒症状を引き起こす事故が多発し、当時の厚生省が1998年に『防水スプレー安全確保マニュアル作成の手引き』を発表しています。厚生省はフッ素樹脂とシリコン樹脂を使った防水スプレーを肺まで吸い込まないように警告を発しています」(同)

 最近では、フッ素樹脂やシリコン樹脂は使わないタイプの防水スプレーもあるそうなので、購入の際は商品の成分表を見ることをオススメしたい。

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 鈴木氏曰く、専門家から否定的なデータが出ているにもかかわらず、口当たりのよいウリ文句で堂々と販売を続けるケース、もっといい類似品が存在するなどといったケースは、見るからに怪しそうな商品でなくても意外と多いようだ。安易な宣伝文句に惹かれて商品を購入する前に専門家の意見を参考にしたり、流行品の効果を疑う書籍や資料を参考にしてみほしい。

<取材・文/伊藤綾>