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「ドバイ」という地名からあなたは何をイメージするだろうか? 恐らく多くの人は天高くそびえる高層ビル群や巨大なショッピングモール、人工島の上にビッシリと建てられた別荘の数々といったような、リゾート地の風景を想像するのではないだろうか。そしてそのイメージはまったく間違っていない。

周知のとおり、ドバイはいまや一大観光都市として知られている。1990年代から世界各国の競走馬が集まるドバイワールドカップが開催され、中東で初めて緑の芝がつくられたというエミレーツゴルフクラブなどゴルフも盛んだ。2005年には人工スキー場スキー・ドバイがつくられ、パーム・アイランドやジュメイラ・アイランズといった人工島には敷き詰められるようにして別荘が建てられていくなど、いまでも日々開発が続けられている。マスターカードが2016年に発表した統計によれば、ドバイはバンコク、ロンドン、パリに続き世界で4番目に多くの観光客が訪れる都市だという。

世界中の富が集まるドバイで人々は一体どんな生活を送っているのだろうか。アントワープ出身の写真家、ニック・ハンスはこの都市に興味を抱き、2015年の終わりからドバイの撮影を始めた。ハンスは撮影した写真をまとめて『Dubai』というストレートなタイトルをつけ、2018年に展示の開催と写真集の販売を予定しているという。

海の上に浮かぶ別荘、砂漠の果てまで続いていく道路、高層ビル群の夜景を前にして行われるヨガ、きらびやかでどこか近未来的にも見えるビリヤード場で遊んでいる人々──。ハンスが撮影した写真からは、ドバイからあふれる過剰なほどのエネルギーが伝わってくる。「まるで誰もが幸せなパラレルワールドの出来事みたいですよ。これらの場所の多くは非現実的で、夢のようになものに思えてきます」とハンスは語る。

ハンスは、鑑賞者が何を感じるべきかは各自が自分自身で考えるべきだと前置きをしつつ、次のように語った。「サステナビリティや不平等、社会の経済化、欲求について問いかけたいと思っています。わたしが真実を独占しているわけではないので、その問いの答えは出せないのですが」

『Dubai』に収められた写真はどこか不気味だ。それはある種「悪趣味」ともいえるほど過剰なゴージャスさから来るものであると同時に、写真のもつ異様な情報量の多さから来るものだともいえるだろう。ハンスの写真からは宗教や経済、人種、環境など、ありとあらゆるテーマが読み取れ、1枚の写真のなかに胸焼けしそうになるほど大量の情報が閉じ込められている。だから、写真を見るわたしたちはどこに注目すればいいのかよくわからず、ドバイの過剰さにただ圧倒されてしまうのだ。

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