画像はイメージ

写真拡大

 約300人の死亡者を出した2014年のセウォル号沈没事故をきっかけに、韓国の小学校では「生存水泳教育」が義務付けられることになった。

 生存水泳とは、自然災害や事故で水に溺れた際、命を守るための水泳法だ。現在は一部の学校で行われているものだが、2018年には全国の小学3〜6年生全員がその水泳法を学ぶことになる。

 しかし、この生存水泳教育について、首をかしげる人が増えているようだ。

 先月25日に大邱(テグ)市のとある小学校で、公開生存水泳授業が行われた。小学校の水泳授業と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ビート板を使って足をバタバタさせる風景だろう。ところが、授業に登場したのはビート板ではなく、なんとポテトチップスの袋だった。

 ネット上に公開された授業の写真を見ると、生徒たちはそれぞれ仰向けになり、ポテトチップスの袋を胸に抱えてじっと浮いている。実はこれ、「救命胴衣がなくても、身近な物を利用して生き延びる」生存水泳法だという。

 韓国のスナック菓子といえば、大量の窒素がパンパンに入っている「過大包装」で悪名高い。中身より窒素のほうがはるかに多く、「窒素を買ったら、おまけにスナック菓子がついていた」「窒素スナック菓子」という言葉がはやったこともあった。14年には、大学生2人が160個の窒素入りスナック菓子で舟を作り、川を渡るパフォーマンスまでしている。

 そんなスナック菓子の袋が教育現場で使われる日が来たことに、ネット民は失笑。「まさか、あの頃の冗談が現実になるとは」「さすがは窒素。菓子メーカーの狙いはこれだったのか!」「海外のやつでは沈む可能性がある。必ず韓国産の袋でやってくれ」などと冷やかす声が上がっている。

 そもそも韓国では、まともに水泳を学ぶことも難しい。現在、プールが設置された小学校は全国5,913校の中で76校。たった1.3%だ。プールがない学校は市民プールなどを借りなければならないが、予約の取り合い合戦になる。予約がなかなか取れず、1カ月に一度のペースでしか授業を行えない学校もあるらしい。早くも生存水泳は、名ばかりの教育になりつつあるわけだ。

 果たしてこの授業、意味があるのだろうか……?