神戸山口組「斬り込み隊長」意地を見せて北海道・頂上決戦へ
(神戸山口組の織田絆誠若頭代行。山健組副組長も務める。分裂後の昨年9月、要職に抜擢された)
「6月29日に神戸山口組の織田氏ら幹部が札幌に入った。北海道は不穏な動きが出てくる可能性がある」
こう話すのは都内の暴力団関係者だ。
神戸山口組の斬り込み隊長として知られる織田絆誠(よしのり)若頭代行(49・山健組副組長)らが、北海道に乗り込んだという情報が関係者の間を駆け巡った。
もともと北海道には、六代目山口組系の直参組織は3団体。だが、神戸山口組系の直参はひとつもなく、岡山県に本部を置く神戸山口組系池田組の傘下組織などが旭川にあるぐらいだ。
「三代目山口組時代に『殺しの軍団』と呼ばれた柳川組があった。その柳川組でも最強と恐れられた倉本広文氏が倉本組を立ち上げ、秘蔵っ子としたのが織田代行です」(組織対策担当刑事)
1990年の山波抗争で長期服役後、縁あって神戸山口組の井上邦雄組長が率いていた山健組四代目健竜会へ。その好戦性と、同時期に同じ刑務所で過ごした井上組長への忠誠心は知られる。
「織田代行が初代を務めた邦道連合の『邦』の字も井上組長の名前から冠した」(同刑事)と、井上組長の「懐刀」だ。
その織田若頭代行が北海道入りした理由について、暴力団に詳しいジャーナリストが解説する。
「今年の早い段階で、在北海道の六代目山口組系直参組織の幹部が破門処分を受けました。その幹部が神戸側に入るという噂は当初からあり、それを阻止するため六代目側がその幹部宅に侵入、逮捕されるという事件が起きています。織田代行は、同幹部を池田組側に入れるために、北海道入りしたと考えられる。神戸側の組織固めです」
北海道の組織強化には理由がある。都内在住の別のヤクザはこう話す。
「池田組は、5月に若頭が射殺された組織だ。神戸側は返し(報復)をおこなっていないが、抗争に備え池田組を強化する必要があった。また、3月に旭川で六代目側と衝突しそうになったとき、池田組は孤立してしまい『神戸は助っ人を出してくれなかった』という不満を持ったという。そうした事態に対処する必要があったのだろう」
北海道での戦いに向けて、「懐刀」の意地が感じられるが、札幌は六代目側の組織が多数派。仮に神戸側が札幌に新たな拠点を作ろうものなら、北海道に新たな火種を作ることになりかねない。
(週刊FLASH 2016年7月19日号)