18日、敦煌の莫高窟は観光スポットとして人気になっているが、観光客の急増で窟そのものや壁画の状態が悪化している。

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2016年5月18日、中国紙・参考消息(電子版)によると、中国・敦煌にある世界遺産・莫高窟(ばっこうくつ)に描かれた壁画はこれまでの100年で自然環境や経年によって劣化が進んできたが、近年は観光客の出入りが激しくなったことにより、窟内の環境が変化し、窟そのものや壁画の状態が悪化している。

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ワシントン・ポストによると、2015年に莫高窟を訪れた観光客は110万人で、前年と比べても40%余り増加した。その大部分は国内観光客。中国では富裕層の増加で国内の観光産業が盛んになっており、莫高窟のような仏教芸術に関する関心も高まっている。

しかし、大量の観光客が訪れるようになり、人の出入りが増えたことで、窟内の温度や湿度が頻繁に変化するようになった。また、人の身体に付着している微生物が窟内に繁殖するなど、文化財を取りまく環境に大きな影響を与えている。

莫高窟の管理と保護、修復などを行っている敦煌研究院の王旭東(ワン・シュードン)院長は、窟内拝観者を1日3000人に制限しようとしたが、観光客をさばききれず、6000人に緩和したものの、観光シーズンの7〜10月にはさらに多くの人々が訪れると話す。

また、カメラのフラッシュは文化財の損傷を加速させることから、窟内での撮影は禁止されているが、観光客の中には無視して撮影する人も少なくないという。

米国の文化財保護専門家は、敦煌市の経済は莫高窟に依存したものになっており、観光客数を制限すれば失業者を出すことになってしまい、莫高窟は商業主義の弊害にさらされていると指摘した。(翻訳・編集/岡田)