オリックスを自由契約となった坂口智隆[BASEBALLKING]

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 今季、球団に自由契約を申し入れ現役続行を表明した04年の三冠王・松中信彦(ソフトバンク)を始め、06年のWBCで世界一に貢献した多村仁(DeNA)、日米で大活躍した岡島秀樹が戦力外通告を受けた。その他、減額制限を超える契約提示を受け自由契約を選択した坂口智隆(オリックス)、栗原健太(広島)、馬原孝浩(オリックス)など大物選手たちの退団が相次いだ。

 現役続行を望む選手の多くは、12球団合同トライアウトに受験することになる。その一方でトライアウトを前に、戦力外や自由契約となった選手たちに興味を示すケースも多い。

 今季14年ぶりにセ・リーグを制覇したヤクルトは、オリックスを自由契約となった坂口の獲得調査を進めていると報道があった。坂口は11年にリーグ最多安打を記録するなど、シーズン2度の打率3割超えを果たしている。守備でも08年から4年連続ゴールデングラブ賞を受賞。ヤクルトはリーグ優勝を果たしたが、上田剛史、比屋根渉などを起用し『中堅』を1年通して固定することができなかった。

 さらにヤクルトは、オリックスを戦力外となった鉄平にも興味を示している。こちらも坂口と同じくポジションは外野手で、09年に首位打者を獲得した経験を持つ安打製造機。ドラフトでは大学ナンバー1外野手・高山俊(明治大)の交渉権獲得に失敗した。外野手強化へ積極的に動いていることを考えれば、戦力外となった選手たちの獲得もありえそうだ。

 投手では、DeNAが巨人を戦力外となった久保裕也の獲得に乗り出すとの報道が出ている。DeNAは今季チーム防御率リーグワーストの3.80。投手陣の立て直しが急務。久保は10年にリーグ最多の79試合に登板。11年には守護神として20セーブを挙げ、防御率1.17を記録した。近年は故障や不調で思うような成績を残せていないが、実績と経験は十分にある。

 その他、ソフトバンクを戦力外となった金無英を楽天が獲得調査しているとの噂がある。彼らは、このまま契約まで勝ち取ることができるだろうか。