ただ、3月の2試合では良い面も見られました。アグレッシブなディフェンス、そして攻撃面ではボールが速く動いていた。カウンターアタックやワンタッチ、ツータッチでの攻撃もかなり多かったと思いますし、フィニッシュの局面では3、4人がゴール前に侵入していた。皆さんがどう見たかは分かりませんけど、かなり進歩したんじゃないかなと思っています。これは自信にしていいでしょう。
 
 繰り返しますが、このチームには能力はあります。ただし、選手たちに伸ばしてほしいところもまだたくさんあるのです」
 
――今回の活動期間で、チームに最も上積みしたい部分はなんでしょう。
 
「先ほども申し上げましたが、今回は4つのグループに分けました。そしてグループの中で個人的に話す時間をかなり設けたんです。『なにをすれば伸びるのか』という話をしたんですが、まだ選手たちから直接フィードバックは来ていません。なのでまだ疑問を抱いていると思っています。
 
 このチームを初めて見た時、ワールドカップやアジアカップでのトラウマがあるのかなと感じたんです。気持ちもかなり下がっていましたからね。なので、私は選手を勇気づけようと思いました。実際、この前の2試合ではいろんな希望が見えたと思います。
 
 ただ、このチームはもっと良くなるはずです。そのためにトレーニングをしていきたい。フィジカルや戦う意識、それから戦術面も向上させないといけません。だから、選手たちには『Jリーグの試合を見た時に、この人が日本代表だとすぐ分かるようなプレーをしてほしい』と伝えています」