安倍政権下の対ロシア外交はどのようなものだったのか。前駐オーストラリア特命全権大使の山上信吾さんは「当時領土交渉に携わった外務省幹部は、『プーチンであれば北方領土の返還を決断できる』との楽観的観測に傾き、そこに期待をかけすぎてしまった。このような外交を続けていては、ロシアから足元を見られてしまうのは必至だ」という――。※本稿は、山上信吾『日本外交の劣化』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。2016