葛飾北斎「冨嶽三十六景尾州不二見原」すみだ北斎美術館蔵(前期展示)展示風景(撮影:小川敦生)江戸時代後期に風景画の世界を切り開いたことで知られる浮世絵師、葛飾北斎(1760〜1849年)は、富士山をはじめとして、山を実に多く描いた。興味深いのは、正面から大きく捉えた威厳のある山容はもちろんのこと、探さなければわからないほど小さかったり、人の姿に託していたりと、描いた山の姿が実に多様であることだ。東京・墨