豪雨の日本GPは小林可夢偉さん凱旋、あびる結婚、まだステッカー届かず等の全部が吹き飛ぶ結末となった件。
雨の鈴鹿、波乱の結末!

最近はトンと人気も注目度もかげってきた感が否めませんが、やはりこの日だけは特別。三重県は鈴鹿サーキットに集ったのべ10万人。その期待感。今年は日本人ドライバーが2年ぶりに戦線に名を連ね、来年からはホンダがパワーユニット(※エンジンに相当)の制作者として「マクラーレン・ホンダ」を復活させるという上向き気配で迎えた鈴鹿です。その熱気はあいにくの雨をも吹き飛ばさんばかり。

僕も今年はケータハム・F1チーム、要するに小林可夢偉選手のスポンサーの一角としてグランプリに参戦してきました。しかし、残念ながらここまでケータハムおよび可夢偉さんは満足な結果を出せていません。初戦オーストラリアGPでは予選こそ15番手に入りますが、決勝ではスタート直後にブレーキが故障し、他車に追突するという「アカンやん」な幕開け。1戦目で早くも今季の終了を予感します。

その後もつづく受難&環境・能力・予算・政治力の全方位不足。マシンが壊れたら、「交換する部品ある?」という心配から始まり、チームから「部品ない」という返答が来る感じと言えばよいでしょうか。ない・ない尽くしの態勢は、ワクワク感だけは無駄にあった往年のスーパーアグリF1さえも下回るという体たらくでした。

ライバルであるマルシャチームとのテレビに映らない小競り合いも、思うようにいきません。第4戦中国GPでは、やっとこマルシャのビアンキを最終周で抜いたと思ったら、運営側のミスで1周前にチャッカーが振られ、レースは終了していたというオチ。抜いたことさえ帳消しにされ、それが別に世界に特別なインパクトも与えないという存在感のなさ。

そして、じょじょに戦いは他チームとではなく、チーム内に移行していきます。シーズン終盤のベルギーGPでは、ドイツ人ドライバーのアンドレ・ロッテラーにシートを奪われるという悲哀まで。スポット参戦、お値段は約4000万円という話で恒常的な交代ではないようですが、そのぐらいの金で簡単にシートを切り売りされてしまうというこの現状。

この日本GPの間も、可夢偉さんのシートを売るべくロベルト・メルヒというスペイン人ドライバーをフリー走行で起用していました。「前にいっぺんシートを売ろうとしたんだけど、走行距離が足りずに免許が取れなかったよてへぺろ。なので、カムイくんの代わりにフリー走行に出走させて距離稼ぐね」という話なのですから、ヒドイものです。

そして極めつけは、第14戦シンガポールGPの最中に発表された、あびる優さんの結婚。ケータハムに捨てられるのは百歩譲ってビジネスの問題としても、あびる優さんにまで捨てられるとは。普通、いたって普通の恋愛じゃないですか。F1ドライバーなんて、どんな無茶をしてもガッチリ女性側から食いついてくるセレブ界の住人のはずなのに。

とまぁ、こんな感じですので、僕もスポンサーという立場は置いておき、今年の鈴鹿は世界の走りをじっくりと堪能していきたいもの。どっちみち可夢偉さんはテレビにもほとんど映りませんしね。映らないから前フリのところで振り返りをやっているわけですし。

ということで、豪雨の中での波乱のレースとなったF1日本GPについて、5日のフジテレビNEXT中継よりチェックしていきましょう。

◆久々に地上波でF1をやった日、テレビで映してはいけない幕切れに!

木曜日のフリー走行2回目に出走した小林可夢偉さんは、S字コーナーでクラッシュし、マシンを破損。「部品がない!」という最悪の事態こそ回避されたものの、「古いパーツならあるよ!」という微妙な回答で、相変わらず苦戦はつづきます。

迎えた土曜日の予選でも、予選1回目(Q1)で21位となり早々にキックアウト。もはや予選というよりも、不足したセッティングのための走行をするというイメージで、誰よりも先にサーキットに飛び出していった可夢偉さんの後ろ姿に、僕もカムイサポート枠スポンサーとして唇を噛む思いです。

↓カムイサポートの小さいロゴが運転席内側面につくクルマで走る、カムイさんじゃないドライバーたち!

金返せケータハム!

これじゃ「1戦あたり4000万円」の持参金を、まとめて先払いしただけの人みたいじゃないか!

↓あまりに金がない部品がない言うので、ナイジェル・マンセル氏も300ドルをカムイサポートしてくれるとのこと!
<可夢偉、琢磨、マンセル登場の日本GP前夜祭>

続いて登場したのは、ケータハムの小林可夢偉。マンセルは「近い将来のワールドチャンピオンですよ」と紹介。司会のピエール北川氏は「そりゃあマンセルさんを尊敬して、フリー走行でターン3でクラッシュしましたからね」と応じると、マンセルは「まぁ、そんなこともあるさ」とおどけて見せる。これに可夢偉は「それより、右フロントのダメージを心配した。実は右フロントのスペアがなくて、それが壊れてたらその後走れなかったんですよ……」と発言、するとマンセルはポケットから300ドルを差し出す。「ホンダとマクラーレンが、彼をサポートするべきだよね。その時は、僕がマネージャーをやるよ」とマンセルが語り、会場を沸かせる。

http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=60424#page2

300ドルのカムイサポートwwww

ステッカーとリストバンド送っといてwwww

3口分ね!忘れずに!

ちなみに僕の1口分、まだ届いてません!

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そして迎えた決勝。来場者にはカムイさんサポート用の応援フラッグも配布され、凱旋ムードを漂わせます。あいにくの雨、というか豪雨にも負けない日本のファン。帰ってしまうわけでもなく、傘を広げる人も少なく、レインコートを羽織って自席でじっと雨に打たれる姿。もはやこれは日本人がとか、日本のメーカーがとかではない、真のモータースポーツファンの集いです。

スタート時間を待つ間にもどんどん降る雨。路面には水が浮かび、川になる場所も生まれます。セーフティカー先導でのスタートとなるも、ケータハムのエリクソンは慣れ親しんでいるはずの鈴鹿で、セーフティカー先導中なのにスピンしてコースアウト。あまりにもヒドイ状況のため、2周を終えたところでレースはすぐに赤旗中断となります。

F1の規定では2周すればレース成立ということになっています。「まさかコレで終わりか!?」「チケット代の返還ナシだけを確定させてきただと!?」「いっそセーフティカー先導で53周走ってくれませんかね!?」とどよめくファンたち。しかし、そこはさすが世界のドライバーたち。そして、彼らに愛される鈴鹿。約20分間の中断を経て、レースは再開されます。「全然いけるよ」「インターミディエイトでもいけそう」など力強い無線交信。よーし、レースがやれるぞ。カムイさんの持参金もコレなら報われそうです!

↓なお、フェラーリのアロンソはセーフティカー先導中にマシンが壊れてストップ!雨天早退です!

雨め…!

余計なことを…!

僕もこのくらい早々に今日は会社を引き上げたいわ…!

セーフティカーが引き上げたのは9周目になったところ。ようやくここからがレース本番です。しかし、この日はもともと欧州での中継などにも配慮されていたこともあり、スタート時間は15時の設定。そこから赤旗中断やセーフティカー走行などで40分ほどをロスしています。日没は17時すぎ。そこまでに規定の周回数を終えられるかどうか、微妙になってきました。75%に相当する40周を終えてフルポイントのレースになるか、それ以下でハーフポイントのレースとなるか。早くもそこが焦点となってきました。

コンディションは回復傾向にあり、レース再開と同時にバトン(※道端)ら数台はピットに入り、インターミディエイト(※雨用タイヤ2種のうち軽微な雨用のもの)にタイヤを交換。上位陣は隊列を崩しませんが、先にタイヤを変えたバトン(※道端)のタイムは、上位陣を上回る勢い。いずれどこかでタイヤを変えなければならない感じの路面状況であることが判明し、各チームも動きが慌ただしくなります。

レース再開直前に「インターミディエイトにする?エクストリーム(※フルウェットのタイヤ)にする?」と無線で聞かれたレッドブルのリカルドが、その場は「エクストリーム!」と答えていたのに、2周後に「タイヤ替えるわ…」と戻ってくるなど、ぞくぞくとタイヤ交換を始める各チーム。フルウェットのままコースに留まっていたメルセデスの2台も14周目・15周目でピットインし、戦いは中盤戦へ移行していきます。

↓早めのタイヤ交換が功を奏し、道端が3位へジャンプアップ!


こ、これが日本GPのお客さんへのおもてなし演出なのだな!?

そういうことなんだな!?

道端ガンバレ!

なかなかテレビに映らないカムイさんのぶんまで!

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レースとしては、序盤・中盤・終盤にかけてひたすらメルセデス勢のチーム内バトルの様相。とにかく今季はメルセデス勢の強さが際立ち、チームランキングでは2位レッドブルを200ポイント近く離す独走ぶり。そのせいか、外の敵より内の敵とのバトルが熱を帯び、ベルギーGPではチームメイト同士が追突するという遺恨も発生しています。

この日も、メルセデスの2台だけが遠くで競り合いをつづけ、それをバトン、ベッテルらが後ろから追いつかない程度に眺めるという格好。25周目にはDRS(※可変リアウィング)の使用が許可され、1位・2位争いがグッと激化していきます。ほかにコレといった争いもないので、ココだけが熱い!「追突しろ!」「両方跳べ!」「バナナ撃て!」など我が家の茶の間も小興奮!

↓そして迎えた29周目!ついにハミルトンがロズベルグをパス!

何か今年は長い長い紅白戦を見ているような感じだな!

いっそ鈴鹿の1コーナーでぶつけるとかシケインでぶつける的な展開もアリだったな!

チームメイト同士で!

結局レースはそのままハミルトンが先頭を守り切ってゴール。チャンピオンシップを争うメルセデスの両者は、10点差で残り4戦に臨むこととなりました。なお、今年は最終戦のアブダビGPで「このレースはポイント倍です!」というクイズダービーみたいなことをやることになっているので、この差のまま行くと「ポイント倍」のせいで、大変な泥沼になる予感もしてきます。

チームからの無線で仄めかされる「順位入れ替わってくんない?」的なメッセージと、それを無視するドライバー、そして指示を無視されたことに立腹してチームメイトに追突するドライバー。レースというか揉め事みたいな決着、セナ・プロストを彷彿とさせる追突決着が久々に見られるかもしれませんね。

さて、このレース、コース上の戦いとは別に大変なことが起きます。レース終盤、再び雨脚が強まった42周目、ザウバーのスーティルがダンロップコーナーでスリップ。コース上を後ろ向きに滑りながら、デグナー(というコーナー)の入り口あたりでタイヤバリアに突き刺さります。

とは言え、そこまではよくある話。キレイにコースオフしたことで、セーフティカーも入らず、黄旗のままレースは進行します。ここでセーフティカーを入れれば日没までに規定周回数を終えられないことは確定的でしたので、セーフティカーが入らないことも普通の判断だろうと思われました。中継サイドも、その時点では「まぁ入らないよね」という納得も見せていたほど。のちの情報では現場付近ではダブルイエロー(※いつでも止まれるよう注意して走れ、の意)が出されていたとのこと。このシグナルが出れば、全ドライバーにコース上の手旗、チームからの無線、ステアリング上のサインで通知がされるはず。過去の事例から見ても、対応は「いつも通り」と言えるものだったように思います。

ところが何故か、44周目に入ったところで、セーフティカーとメディカルカーが一度にコースインしてくるという非常事態に。どうやらコースオフしたスーティルのマシンを撤去するため、リフトが出動したのですが、そこにマルシャのビアンキが追突する二重事故が発生していた模様。タイヤバリアなど「当たるもの」と想定して作っている場所とは違い、想定外の衝突となったようで、「深刻な」事故であるとの発表もされました。こうした事故の際、ドライバーの安全性を確保するために工夫を重ね、今年はノーズ高を大きく下げて追突での「乗り上げ」系の事故への対処もしたところだったのですが…。

↓結局レースは2度目の赤旗中断を経て、打ち切りに!

これはもう仕方ない…!

レースよりも救助に専念すべき状況です…!

のちほどBSフジや地上波の中継を見ると、2度目の赤旗中断に至った理由や、表彰式でトップ3が何故喜びを見せなかったのかについてはふれられていませんでしたが、レースどころではなかったというのが実態。日本GPがこうした形で幕切れとなるのは残念ですが、すべては命あっての話。来年こそまた楽しいGPになるよう、ビアンキの回復を祈りつつ待ちたいものです。鈴鹿を疾走するマクラーレン・ホンダ、楽しみですしね。

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もはやどうでもいいことですが可夢偉さんは19位でレースを終えました!