意外と知らない台風の備え方 どうすればいい?

写真拡大 (全7枚)

気付いてましたか? 今年8月、台風は一個しか発生しなかったんです。これは、統計史上最少のこと。7月から9月にかけ一月近く台風が発生しないのは、1957年以来、57年ぶりだそうです。(日本気象協会調べ)
しかし、だからと言って今年9月が少ないとは限らない。この時期って、いわゆる“台風シーズン”。秋雨前線の影響により、大雨になりやすいです。

しかし、台風は事前に備えることもできます。そんな“災害”に対し、皆はどんな意識をもっているのか? 20〜50代の男女(計200人)を対象に、「tenki.jpラボ」は「台風に関する意識調査」を実施していました。

まずは「台風がくる時に気をつけることはありますか?」という設問から。
結果、「ある」も回答した割合は49.75%でした。

風害、水害、高潮害、波浪害など、日本でもさまざまな災害が台風によって起こっているものの、実際に台風に備えている人は約半数。日本人の台風に備える意識は比較的低いと言えるかもしれません。
ちなみに、「ある」と回答した人の“気をつけるところ”として「最新の情報を常にチェックする」、「ベランダなど外においてあるものをしまっておく」、「飲料・食料を購入しておく」、「不要不急の外出を避ける」といった具体例が挙がっています。

続いては「台風がきている際にやむを得ず外出したことがありますか?」という設問。
「ある」との回答は37.25%で、「仕事のため」、「仕事は警報が出ようと関係ないので出勤しました」、「迎えを頼まれた」といった理由が挙がっています。まぁ、わからないでもないです。仕事と言われたら、何も言えない部分はあるな……。

じゃあ、外出したとしましょう。そこで、この設問。「台風がきた際に身の危険を感じたことはありますか?」。
この問いに「ある」と回答した人は18.0%で、具体例として「踏ん張っても体が飛ばされてしまいそうだった」、「風で息ができなくなったり、バランスが取れなくなってしまった」、「風が強くて、看板が飛んできた」、「向かいの家の屋根が飛んできて窓を突き破った」が挙がっています。

では、対策法について。「台風などによる警報や特別警報が出た際、どのように避難行動をとればいいかわかりますか?」。
結果、56.8%の人が「わからない」と回答しています。年代別で見ると、特に目立つのは「女性20・30代」。

この年代の女性で「わからない」と答えた人は71.0%にものぼりました。予報や警報など事前に防災情報が発表されても、それがうまく生かせていないということになります……。
実は「台風がきている際にやむを得ず外出したことがありますか?」設問でも「女性20・30代」の「ある」回答は最も多く、約51%だったんです。

無理して外出をした場合、「いざという時に避難行動がとれない」ということがないよう、十分な事前準備をしておきたいですね。

さぁ、ここで気になることが。大人だけでなく、子どもはどうなんでしょうか? そこで、小中学生の子どもと同居する人に聞いてみました。「台風に備えるための知識や実際に被害を出さないための知識を、子どもが持つことは必要だと思いますか?」。
結果、「必要」と答えた人は、ほぼ全員の97.25%でした。

続けざまに、こんな質問も。「自分の子どもに台風時に気をつけることや、避難行動について教えたことはありますか?」。
……そうですか。「ある」と答えた人は、36.25%にとどまっています。半分にも達していません。

子どもに教えられるほど避難行動の知識がない人、多いと思います。しかし、地震や津波と比較すると、「台風」はある程度事前に予測ができる現象。
では、「台風に備える」を具体的に確認していきましょうか!

(1)台風は事前に備えができる災害! 事前対策を行いましょう

■家の外の備えは十分に
水害に備え、側溝や排水溝の掃除をし、水はけをよくしておきましょう。マンションでは、ベランダの排水溝の掃除も忘れずにしましょう。また、屋根、塀、壁などの点検、補強も台風が来る前に普段から行っておきましょう。

■非常用品を備蓄する
ライフラインが途絶えたときの事を想定して、非常用品を備えましょう。

■ハザードマップを入手する
家の近くに洪水の恐れのある河川があったり、低地、急傾斜地で水害や 土砂災害の恐れがある場合は事前にハザードマップなどを入手しておきましょう。ハザードマップは各市役所や区役所、役場などで入手するできます。

■近隣の建物や道路を知る
土砂災害や鉄砲水になるかどうかを見分けるためには、平常時と異常時で、濁流の流れる方向や速さの違いを普段から確認しておくと良いでしょう。道路が冠水したり、浸水が始まったりしている場所では、用水路やマンホールのふたが外れていても、濁った水で見えなくなっているため、足を取られる危険性があります。

(2)台風が接近する直前にすることは?

■最新の台風情報の確認をする
テレビやラジオ、インターネットで最新の台風情報を確認しましょう。台風情報は、日本から遠くにある場合は3時間毎、日本に接近し影響が高くなった時点で1時間ごとに更新されます。

■家の周りの再点検をする
庭木に支柱を立てたり、塀を補強しましょう。家の周りにあるもので強風などによって飛ばされる可能性のあるものは、室内にしまうか、しまうことができない場合は飛ばされないようにしっかり固定しましょう。

■窓や雨戸を補強する
風速20m/sを超えると、屋根瓦や看板が風に舞う可能性が高くなります。ガラスのひび割れや窓枠のガタつきがないか調べ、窓にテープを貼るなどして補強しましょう。万が一、窓ガラスが割れた時のために、カーテンなどを閉めておくと良いでしょう。

■床上の浸水対策をする
家財や家電などは浸水の被害を受けないように、高所や二階に移動させましょう。電気のコンセントは漏電、ショート、感電などが発生する可能性があります。コンセントは抜き低い位置にあるものは高所へ移動させましょう。

■ライフライン断絶に備える
断水に備えて飲料水を確保しましょう。浴槽に水を張るなどしてトイレなどの生活用水を確保しましょう。避難に備え、非常持ち出し品を準備しましょう。

もちろん台風が接近してからは、防災意識をより高めることが必要。

「用水路・海岸の見回りはやめよう」、「屋外での作業はやめよう」、「なるべく外出は控えよう」といったことに気を付け、防災意識を高めることが重要です。早めに安全な場所へ避難することが大事。
SNS投稿のために危険な場所へ写真を撮りに出かけるなんて、もっての外ですよ!
(寺西ジャジューカ)