フランス人も憂鬱なのだ

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私は将来への希望が持てない。出版業界は斜陽産業と言われて久しいし、ウェブ媒体の数は増えているものの、雑誌や書籍などの紙媒体と比べれば、平均単価は低い(記事をウェブで書いていて、こういうことを言うと角が立ちそうだけれど……)。

もちろん私の能力の無さも一因だろうし、できることならライターという職業に早々見切りをつけて、転職した方が将来的には良いに決まっている。ライター仲間で飲んだ時に、このテーマに触れることは一種の儀式だ。

他にもっと傷をなめ合う相手がほしいと思っていた矢先、こんな統計を目にした。じつはフランス人も、日本のライターのように後ろ向きの人々だという。
米ニュースサイト・ビジネス・インサイダーによれば、フランス人は世界でもっとも悲観的な国民だそうだ。人生を謳歌しているイメージがあるフランス人の、どこがマイナス思考なのか。

米調査会社シティ・リサーチが出した2013年の調べによると、9割のフランス人が、自分たちの子供は財政的に、今と比べてより大きな困難にぶつかるだろうと答えている。この結果は先進国中でもっとも高い。次いで将来に悲観的なのが日本(76%)、英国(74%)、イタリア(73%)、スペイン(65%)、ドイツ(64%)、カナダ(64%)、米国(62%)と続き、オーストラリアは約半数の53%、イスラエルに至っては27%まで下がる。フランスほどではないが、やはり日本も割合は高かった! 

成長市場の国々はどうだろうか。
もっとも悲観的なのはギリシア(67%)だ。これは分かる気がする……。次にポーランド(61%)、チェコ(58%)、トルコ(43%)、エジプト(42%)、南アフリカ(40%)、メキシコ(39%)、韓国(37%)となり、中国は7%しか今後悪くなると思っていない。うらやましい……。

さらに日本の内閣府による2014年版『子ども・若者白書』でも興味深い結果がある。日本、米国、韓国、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの7カ国で「自分の将来に明るい希望を持っているか」という質問したところ、「希望がある」「どちらかと言えば希望がある」とした人は、日本の場合61.6%だったそうだ。
他6カ国はどこも8割を越えているなか、日本の低さが目立つ。ちなみに、子供の世代に悲観的なフランスは同調査では83.3%と、日本人より自分の将来には希望を持っている。
(加藤亨延)