タカラトミーより8月9日に発売された「しりとりロペ」と「しりとりアキラ先輩」(希望小売価格各3480円/税抜き)。
(C)紙兎ロペプロジェクト2014/フジテレビジョン

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何もないとき、暇つぶしでよくやることと言えば、「しりとり」。いつでもどこでも誰とでもできるが、最大の難点は相手がいないと成立しないことだ。
でも、そんな「しりとり」を、一人のときも楽しめる「しりとりぬいぐるみ」が出たと聞いた。

ハートウォーミングなぬいぐるみをイメージするが、お相手してくれるのは、一筋縄ではいきそうにないキャラクター「紙兎ロペ」。
「紙兎ロペ」とは、もともとTOHOシネマズの幕間で上映されていたショートアニメで、シュールでゆる〜い会話による独特な世界観が人気の作品だ。

ぬいぐるみは「しりとりロペ」と「しりとりアキラ先輩」の2種があり、どちらもアニメと同じ声で、「ロペ」は食べ物の名前、「アキラ先輩」は生き物の名前に対応すると言う。それぞれ300種以上の単語、約50種のセリフを収録しているらしい。
さっそく入手し、遊んでみた。対戦相手は、まず「アキラ先輩」だ。

「おーなんかヒマだし、生きものしりとりやんねー?」。電源を入れると、いきなりタルイ感じにスタート。答えるときには、ぬいぐるみの左手のスイッチを押してから言うのだが、

「まずオレの番ね。みみず」(アキラ先輩)
「ず?……(苦し紛れに)ズーラシア!」(自分)
「え? もう1回言ってくんねー?」(ア)
「…………」(自分)
「ブーッ、時間切れ。オレの勝ちね」

はあ? 「ず」で始まる生き物なんているか? そもそも冒頭からこんな難問を出すって、性格悪くないか? とムッとしながら、説明書を読むと、「清音、濁音、半濁音は区別しません」とある。「す」で良かったわけね。

また、答えられずに30秒以上経つと負けになるらしいが、30秒って意外と短い。友人同士でこんなにシビアに時間をはかられることもないし、心してかかる必要がありそうだ。

そこで、付属の「しりとりーず 生き物リスト」を見ながら挑戦することに。そもそもこのリストに載っている単語以外ではしりとりできないそうなので、最初から見れば良かったわけだけども。

第二回戦は順調に進み、「シ」が出てきたのでリストから「ジャッカル」と言うと、
「ル? やめろってー。えーっとお、ルリビタキ」と、ややマニアックな返答が。
「キツネザル」と答えると、「ル? やめろってー。ルリアゲハ」、「やめろってー」と言いつつ、全く困ってなさそうにスムーズに出してくるところがニクタラシイ。
さらに、「クリオネ、あいつ、ヤバくね?(笑)」とか「ミジンコ、あいつの表情、いいよな(笑)」、「リュウグウノツカイ? ふふ、マジかぁ(笑)」なんてコメントも飛び出しつつ、結局、「ブッブー、さっきも言ったべ。オレの勝ちね」と言われて終了。
1回言ったヤツ、意外と覚えてないもんなんですね……。

なんとなく腹が立ったので、「ロペ」に選手交代。今度は「食べ物」しりとりだが、「ガム」と言っても「イカフライ」と言っても、いちいち「おーっ」と感心したように言ってくれるのが心地よく、イイ人のような気がする。
でも、これ、繰り返すうちになんだかバカにされている気分になってくる(←たぶん正解。最初から気づかなかったのがむしろマヌケ)。
そのうち、「キャビア」には「っへっへっ、セレブっすね(笑)」と言ったり、「パンケーキ」や「クレープ」には「え? 女子力、高くないっすか(笑)とコメントしたり、「トースト」には「え〜っ、そうきますか(笑)」、「うな重」には「おなかすいちゃいますね(笑)」と言ったり、丁寧な言葉だからこそバカにされている気がしてくる。これって、慇懃無礼ってやつっすよね。
しかも、「ル? ルはやめてくださいよ〜、あ〜あれっすよ、『ルゥ』」というふてぶてしさ。もう勝てる気が全くしない。

ついでに、タイプ違いに腹立たしい感じの「ロペ」と「アキラ先輩」なので、テーマは全くかみ合わないが、対戦させてみた。

「えっ、なんすか?」(アキラ先輩)
「もう1回言ってもらっていいっすか?」(ロペ)
「時間切れー。オレの勝ち」(アキラ先輩)
「オレ、勝っちゃいましたね(笑)」(ロペ)

どちらもふてぶてしく負けてないところが、さすが「紙兎ロペ」のしりとりなのでした。
(田幸和歌子)