軽いのに強風でも折れない、安全製の高い「傘」とは

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傘と聞くと、強風にあおられたりして、骨が折れたことをよく思い出す。安い傘であればあるほど折れやすい感じ。おかげでずぶぬれになることも……。骨がなければ傘として成り立たない、そんな常識を覆す製品がこのほど世に出た。それは、なんと“骨がまったくない”というのだ。そんなタコみたいな傘が役に立つのだろうか?

「はじめての傘 おひさまレインボー」(マイファースト、販売・白箱)がそれ。実は開傘時で約60cm、全高約38cmの1.5〜3歳くらいまでの子ども用傘だ。材質は塩化ビニールで、子供への安全性の考慮から一切金属を使っておらず、付属のポンプで膨らませて使用するそうだ。これって、海水浴場でおなじみの浮き袋みたい。商品説明には、「晴れた日のお散歩、プールやお風呂場での水遊びにも」とあり、雨の日にはレインコートを着て傘の役目を果たす。

えっ、傘じゃないの?
いちおう傘なのだが、ふつうの傘ほど雨にぬれることを防ぐことはできないサイズ。傘本来の役割というよりも、大人や自分より大きい子どものように傘をさしたいという願望を安全・安心にかなえてあげることを優先したアイテムなのだ。

実際、現物を取り寄せて膨らませてみた。持った感触、臭いはまさに浮き袋やビーチボールである(とても懐かしい感じ)。絵柄は傘中央ににっこり笑顔のお日様が描かれ、子供はもちろん大人もなんとなくほんわか癒やされそうなデザインになっている。

さて、膨らませるにあたって、付属のポンプがやはり子供用であり、とても小さい。なので、大人からすると膨らませるのに時間がかかってもどかしい。しかし、ここは童心にかえって根気よく膨らませることにした。すると、数分かかってようやく傘が完成。ふつうの傘でいう持ち手と骨部分、そしてお日様に空気を入れることで、形が成り立っている。なるほど、たしかに骨なし傘である。

前述のように、サイズ的に到底大人が使うものではないのだが、持ってみて気づいたのは持ち手の部分の太さ。子供でも持ちやすいように太くしたのかもしれないが、手が大きめの大人でもちょうどいいサイズだ。このグリップ感を大人用の傘に応用できないものだろうかと思ったほどだ。グリップ感の良さもさることながら、柔らかいので手が疲れにくそうでいい。

世界初の空気を入れて開く傘。画期的なアイディア商品だと筆者も思う。ほかに用途として思ったのは、小さな子供向けだけでなく、お年寄りの日傘を同じ構造で大きめにつくればいいのでは……。軽くて、握りやすく、安全なので、お年寄りにも使いやすいだろう。

アクセサリー的な位置づけとしてもどうか。若い女性や、人前に出る職業の人、たとえばコンパニオンさんの日傘として使えば、インパクトがあるだろう。秋葉原のメイドさんにもマッチしそう。

さらに、軽さと安全性を生かしてプールや海水浴場でのゲームなどにも使える。水面に浮かべて、玉入れの的にしたりするのもおもしろそうだ。遊び心のアイディアがどんどん湧いてくる。

小さい子供さんを持ったお母さんはもちろん、遊び心が旺盛な大人にもお勧めしたいアイテム。近い将来、大人向けの空気で膨らむ傘が世に出ることを期待したい!
(羽石竜示)