かつてはデヴィ夫人美川憲一がテレビ番組の本番中に大ゲンカを始めたり、野村沙知代浅香光代の争いに美輪明宏や渡部絵美など多くの芸能人が参戦してきたり、ケンカは芸能界の醍醐味(だいごみ)のひとつだった。

しかし、最近はこうした有名人のケンカや揉(も)め事を見る機会が少なくなったように感じるのだが、それはなぜなのだろうか。芸能界に詳しいコラムニストの吉田豪氏が語る。

「少なくなったというより、見えにくくなっているんでしょうね。昔はテレビ番組などに仲の悪い芸能人同士を平気で共演させていたんです。

例えば、10年くらい前、『笑っていいとも!』に杉田かおるさんがレギュラーで出ていました。当時、杉田さんは創価学会を脱会して、反創価学会本を出していたんです。そんなときにいいとものスタッフは有名な創価学会のタレントもレギュラーで使ってたんです。あのキャスティングを見たときにテレビってすごいなあと思いましたね。

でも最近のテレビは基本的にアクシデントをいやがるようになり、気を使って仲の悪い人同士は共演させないようにしたり、危ない発言をするような人は生放送に呼ばないようにしているみたいです」

危ない発言をする人といえば、デヴィ夫人が思い浮かぶ。

「僕が4、5年前にデヴィ夫人に取材したとき、『最近、生放送に呼ばれなくなってきてるのワタクシ』って言ってました。

そりゃそうですよ、生放送で『SMAPの中居君は、恋人か、友達か、問題外か』みたいな企画をやっているときにゲストで来たデヴィ夫人は問題外と答え、その理由を聞かれたときに『だって、中居君は倖田來未という恋人がいるでしょ』と答えてしまうんですから」(吉田)

ちなみに最近の揉め事といえば、芸人の品川祐(品川庄司)と山里亮太(南海キャンディーズ)はそのひとつだ。

山里が自身のラジオ番組で、デビュー間もない頃にバラエティ番組の『リンカーン』に出た際、松本人志にいじってもらったのに笑いが取れなくて、カメラの回っていないところで品川から「すごいですね。旬でポッと出の人って、先輩が面白いことを言ってて、自分はすべってても平気なんですね」などとイジメられていたことを暴露。それがネットニュースになって、ツイッターで品川が攻撃されことから、確執が生まれていた。

「一時は和解したという話になっていたんです。でも、4月にバナナマンのラジオに品川さんが飛び入り出演したとき、同じ局内にいた山ちゃんを呼び出したのに出てこなくて、山ちゃんはその日に収録する自分の番組の生放送後のポッドキャストをその週だけキャンセル。品川さんと何かあったんじゃないかと噂されています」

確かに、最近の芸能人の揉め事は、昔のように表に出ないだけかも?

(取材/村上隆保)