『ブラックサンダー』コラボ商品の開発も根強い人気の秘訣

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「おいしさイナズマ級!」「若い女性に大ヒット中!」
この独特のキャッチコピーでおなじみの『ブラックサンダー』。1994年から有楽製菓が製造している準チョコレート商品で、コンビニのレジ前やお菓子コーナーには必ず置いてあるロングヒット商品だ。税込み32円、大学生協などでは30円で買えるというお手頃価格も人気の秘訣だろう。

このブラックサンダー、通常サイズの『ブラックサンダー』に加え、大きめサイズの『ビッグサンダー』(50円)、小さめサイズの『ちびサンダー』(20円)などシリーズ展開も充実している。

通常ブラックチョコレートを基調としたブラックサンダーだが、北海道限定発売で『白いブラックサンダー』というのがある。これは、「中がブラックチョコの黒、外がホワイトチョコの白」という雪山のようなコントラストが美しいご当地サンダーだ。"ブラック"といっておきながら、"白い"商品という矛盾もなかなかおもしろく、「おいしさ直滑降!」というキャッチコピーも、なんともニクい。こちらは新千歳空港売店や北海道のお土産屋各店で購入が可能。ちなみに、この『白いブラックサンダー』は『ちびサンダー』サイズも販売している。

このように、さまざまなバリエーションが楽しいブラックサンダーだが、魅力はそれだけではない。有楽製菓の遊び心が光るコラボ商品の開発も、根強い人気の秘訣だ。豊洲駅とコラボした『豊洲ブラックサンダーミニ』や、「BIG! 1!2!サンダー」というキャッチコピーで掴みもOKな『ビッグサンダー猪木』など、意外なものともコラボしている。

他にも、他の人気製菓メーカーとのコラボ商品もある。チロルチョコ株式会社とコラボした『チロルチョコ ブラックサンダー』、森永株式会社とコラボした『チョコボール ブラックサンダー味』は、お菓子好きとしては胸が高まる逸品である。ライバルであろう他メーカーと組んでしてしまうとは大胆。

そんな数あるブラックサンダーシリーズの中で、一番注目したいコラボがこちら。『Dear Girl サンダー』だ。キャッチコピーは……「DearなGirlに大ヒット中!? おいしさハンサム級! 初恋の味(ハート)塩チョコ」。

「一体なにごと!?」と思ってしまうが、こちらの商品は2010年に、人気声優、神谷浩史と小野大輔のラジオ番組「DearGirl〜Stories〜」とコラボした商品なのだ。声優ファンなら知らない人はいない、という程の売れっ子声優のお2人。

こちらのコラボは、ラジオ内で両声優が『ブラックサンダー』を度々話題にしていたことがきっかけで生まれた商品。コンビニでの通常販売に加えて、全国のアニメイトや通販サイトでも販売された。アニメイトでは品切れも続出したほどの爆発的ヒット商品となったようだ。

さて、この『Dear Girl サンダー 塩チョコ味』のコネタをご紹介しよう。この「塩チョコ味」、ラジオでは「WKAS味(ワカス味)」と呼ばれていた。この「ワカス」という言葉が一体何かというと、「WAKIASE=わき汗味」のことなのである! パーソナリティの声優・小野大輔のわき汗がスゴイというエピソードから、"わき汗→塩分→塩チョコ"……という発想に至ったのだとか。もちろん、本商品は一切わき汗を含有していないのであしからず。

またキャッチコピーの「おいしさハンサム級!」は、小野大輔が「昭和のハンサム」と呼ばれているというエピソードからつけられたそうだ。パッケージに描かれた雷神風の猫イラストは、神谷浩史の猫好きエピソードからデザインされた。こうしたコネタ的なエピソードも口コミを呼び、爆発的大ヒットを記録したが、ラジオを聞いているファンでなければコラボ商品だと気がつかない。ところが、そのファンにとっては、パッケージに書かれた一つ一つのメッセージが「分かる人にだけ分かる」仕掛けになっていることがとても面白い。

おいしさも面白さも“イナズマ級!”の『ブラックサンダー』から、今後も目が離せない!
(はなふさ ゆう)