『麦チョコ・マイスターお婆ちゃんが考えた 人に優しいムギチョコ』。際立つ香ばしさの秘密は、独自の製法によるもの!

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今年のバレンタインデーシーズンもいろいろなチョコレートが売っていたけれど、無性に食べたくなってしまったものが……。たまたま見かけた「麦チョコ」だ。

そのパッケージにあるのは『麦チョコ・マイスターお婆ちゃんが考えた 人に優しいムギチョコ』という長い商品名。さらに「麥(むぎ)という字には人がいて、麦にも友がいるんだヨ!」との言葉も書かれていて、“麦チョコマイスター・お婆ちゃんのウンチク”という文字のそばには、ほっこりしたタッチのお婆ちゃんのイラストが。

なんだかすごく気になる…ということで、さっそく購入。久しぶりに食べる麦チョコは、懐かしくもありつつ、なんというか、新鮮なおいしさ! 麦チョコって、こんなに香ばしくておいしかったっけ!? ついつい手がとまらなくなってしまった。

このイラストとウンチクもやっぱり気になる。発売元の高岡食品工業(株)は兵庫県にある会社で、さまざまなチョコレートを製造している模様。そこで、さっそく取材することに。答えてくださったのは高岡正雄さん。

――まず、どのようなきっかけでこの商品は作られたのでしょうか?
当社の麦チョコは、一貫して定価30円の駄菓子として発売してきましたが、ここ数年、テレビなどで取り上げられたこともあり、「高岡食品の麦チョコ」としての知名度も上がって参りました。そこで、100円の麦チョコの案件が商品開発会議に上がり、採択されたのがきっかけです。この商品の発売は2012年からになります。

――麦チョコ・マイスターである、お婆ちゃんのモデルとなっているのは……?
モデルは当社の代表取締役、高岡和子会長です。最近は生産者のわかる野菜や、有名パティシエの造ったチョコレートなどがブームとなっていますし、他社製品との差別化を図る上で企画したのが、この「マイスターお婆ちゃんの麦チョコ」なんです。 御得意先様からは、似顔絵が会長にそっくりとの声もいただいています。

マイスターお婆ちゃんの正体が、会社の会長さんだったとは。ますますウンチクにも説得力が。

――パッケージに書かれているウンチクの言葉を通して一番伝えたいことはどんなことですか?
「麥」と「麦」という字を分解してこじつけていますが、大災害やいじめ問題など、多くの難題が山積する社会において「人の優しさや助け合いの精神」、「友情の大切さ」を訴えています。

ちなみに、高岡食品工業(株)は、1972年から麦チョコを製造・販売している老舗。

――他社の麦チョコと何か違いはありますか?
大きな違いは製法にあります。一般的には、麦に直接ペーストを噴霧して、機械的に麦チョコを製造するのですが、当社ではレポルパン(回転釜)で麦にチョコレートのパウダーを下掛け、その上にチョコレートペーストを上掛けして完成させています。この作業によって、麦チョコの香ばしさが生かされるのです。全工程を手作業で進めるのが、麦にも人に優しいゆえんです。チョコレートペーストの噴霧装置を取り付けたこともありましたが、味へのこだわりから手作業での生産を継続しております。

今でも手作業とは…! そうした細かな作業からこの香ばしさも生まれているのだ。昔からずっと変わらないおいしさ。これからまた、ちょくちょく手がでてしまいそうです!
(田辺 香)