VRのジャンプが楽しめるヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」

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ウインタースポーツのシーズンとはいっても、スキー場は遠くて寒い。そんな、あまり外に出たくない、時間がない人にとってはぴったりなものを発見。身近に擬似体験できてしまう無料サービスが秋葉原にあるのだ。

その場所は「G-Tune : Garage 秋葉原」である。人々の熱い視線が注がれ、大評判とのウワサを聞きつけ、筆者も同店に乗り込んでみた。

「G-Tune : Garage 秋葉原」でウィンタースポーツが体験できるゲームというのは、『VR SKI JUMP』である。ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」という近未来デザインのようなゴーグルを付けると、目の前に白くまぶしいジャンプの滑走路が広がるのだ。

このゲームのおもしろいポイントは、通常のゲームのようにモニターを見ながらマウスやキーボードを操作するのではなく、ただ体、頭を中心に動かすだけなところ。つまり、ゴーグルについた加速度センサーが頭の位置を感知して3Dジャンパーの動きに反映させる仕組みなのである。

もちろん操作中はVRのジャンプ場以外何も見えないので、ちょっと手を伸ばすと、何かに当たってしまうし、現実世界の視界がゼロ状態なのが不安になる。だが、ゴーグル内のディスプレイは360度視野角で、広々とした情景が広がる。アキバにいるのを忘れるほどの没入感がたまらない。

さて、スタートはジャンプ台のてっぺん。かがむと気の遠くなるような長い滑走路が見える。腰を低くして、前に乗り出すように体を動かすと、滑走が始まり、飛び立つときに、ちょっと重心を前にズラすようにすると飛距離が伸びる。で、飛んだあとの着地の滑りがかなり怖い。どこまで滑っていくのか、障害物に衝突するのではないかという恐怖感にかられるからだ。減速して、やっと止まったところは崖っぷち。何とスリリングなのか!

滑る、飛ぶ、着地の三段階のプレイを一瞬で味わえる。まさに、バーチャルの世界だからこそできる誰でも楽しめるゲームだ。

これは今後いろんなゲームに応用できそう。何しろ体を上下、左右に動かすだけなので、とても簡単で現実世界でプレイしているような大いなる錯覚が味わえてしまうのだから。座ってコントローラーをクリクリ動かしながらモニターを見てプレイするとのはリアリティが大違いである。

銃や剣を持って戦うバトル系ゲームや、カーレースのようなものに使用しても楽しめそう。かなり以前の話になるが、『セカンドライフ』で擬似世界を散歩するのを体験したことがあるが、このようにもうひとりの自分を動かすときにも、直接体の動きを読む「Oculus Rift」は相当活躍が期待できるだろう。

なお、使用するパソコンだが、従来の3Dゲームのようにハイスペックのものが必須ではないので、新たにお金をかけて増強する必要性も少ない。ただ、同ゲームは今のところ非売品で、今後製品化に向けて準備中とのことだ。待遠しい限りである。

「G-Tune : Garage 秋葉原」では『VR SKI JUMP』を皮切りに、新しい画期的ゲームを体験できるサービスをどんどん提供していくという。秋葉原に行ったらのぞいてみたくなる場所という感じになった。

スマホ、タブレットPCの普及で、デスクトップPCの売れ行きが心配されたが、同店のようなゲームPCは今後もファンが絶えないだろう。映像のスピード、解像度ではスマホ、タブレットをしのぐものがあるし、デザインに凝った見た目のカッコイイものが多いから、部屋に一台置きたくなる。また、CPUやグラフィックカードを替えて、データ処理能力を上げられるだけでなく、モニターを好きなサイズ、枚数に変えられるのも大きなメリットだろう。

というわけで、あなたも秋葉原スキージャンプしてみては。
(羽石竜示)