ダンボールもビニール『ズバッと切れるハサミ』

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日頃なにかとお世話になっているハサミほど切れ味が気になるものはないように思う。切れないハサミは手が疲れるし、切り口が汚い。作業効率が悪い。昔からあるシンプルなアイテムだが、とても重要な役割を担っていることは今も変わらない。

そこで、名前からしてよく切れそうな、ダンボールもビニール『ズバッと切れるハサミ』(3月4日発売予定、貝印)を試してみることにした。

この文具ハサミ、布切りハサミの刃先カーブを応用することで、紙パックやダンボールといった厚い物を切る際、刃先からでも軽い力でしっかり切ることが可能になったという。さらに、湿布や粘着テープなどの粘着剤がつきにくい刃の加工がしてあったり、小指にかける握り方ができる小指用のくぼみ付きハンドルが採用されている。徹底的に、切りやすさを追求しているわけだ。

実際に現物を見てみることにしよう。指の入れ具合からして、普通の文具ハサミより大きくて握りやすい感じだ。それでいて、重さはさほど従来品と差はなく、昔使っていた重厚長大だった布切りハサミのような仕様にはなってない。

早速試してみることに。切ることが多い中で、もっとも厄介なもののひとつ、ダンボールでまず挑戦。比較のために、某100円ショップで買ってきた新品の文具ハサミでも厚さ数ミリのダンボールを切ってみた。新品ということもあり、これはこれで切ることはできた。「ズバッと切れるハサミ」で切った場合と切り終わる時間を測ってみたが、大差はなかった。

しかし、切れ味は全く違う。はじめにハサミを入れた瞬間、「軽いっ!」というのが印象的。切れ味は軽くて滑らかで、「ズバッと」というよりも「サラッと」切れる。他方、従来ハサミのほうも切ることはできるのだが、手への負担が大きい感じ。切るときにかなり手応えがあるので、それに負けないようにハサミに力を入れて切りこまねばならない。この差は大きい。

つぎに、布で試してみた。『ズバッと切れるハサミ』はさすが布切りハサミの応用品だけあって、刃先からスムーズに切り込め、最後まで淀むことなく裁断できた。従来ハサミでもなんとか切れたが、刃の滑りが不満足であった。布を二重三重に重ねて切ると、さらに違いがよく分かる。布も厚くなると切るときに力を入れることが必要であり、そうしたときにこそ「ズバッと切れるハサミ」の出番なのである。

その他、ビニール、ビニールと紙が重なった封筒などを切ってみたが、全体として「軽さ」が目立つ切れ味である。もちろん、あまり厚くなるとハサミの出番ではなくなってしまうが……。

結論として、厚紙と布両方を切ることが多い人にはとくに『ズバッと切れるハサミ』が重宝であろう。
(羽石竜示)