フランスは性に大らかな側面はあるものの、社会的規制は厳しい

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日本人の「初体験」の男女平均年齢は20.3歳だそうだ(相模ゴム工業株式会社『ニッポンのセックス』2013年)。20代に限っていえば18.7歳(男18.9歳:女18.5歳)になるという。この結果を「早い」と捉えるか「遅い」と捉えるかは、人それぞれだと思うが、海外の「初体験」と比べるとどうなのか。

恋愛や性にオープンなイメージがあるフランスで、調査機関Ifopが昨年発表した面白い結果がある。フランス本国の15歳から24歳までの男女1021人を対象に、若者の性事情を分野別に詳細に表しているのだ。

同調査によれば、全体の62%(男65%:女58%)が性交渉をしたことがあり、平均年齢は16.9歳(男17歳:女16.8歳)だという。2つの数字だけを比較するとフランスは幾分早いが、フランスの調査は対象が18歳から24歳であるのに対し、日本の調査は20代すべてが含まれるので平均は上がる。それを差し引きすれば、2国間の実際の差はもう少し縮まるだろう。

性交渉の他にも、キス、自慰など行為別にさまざまな初体験の平均を調べている。それによると、唇と唇でキスをしたことがあるのは全体の89%(男89%:女89%)で平均年齢は14歳(男14歳:女13.9歳)だった。自慰行為は全体の73%(男88%:女58%)が経験済みであり、平均年齢は14.3歳(男14歳:女14.8歳)だった。パートナーの局部を口で愛撫しことがある人は51%(男54%:女48%)で、平均17.3歳(男17.6歳:女17歳)に経験していた。

これら統計を比べると、フランスでは自慰の初体験は男性の方が年齢は早いものの、キスや性交渉などは女性が早い。さらに過去の同調査と比べると、男性の自慰経験者の割合は、調査が始まった1992年と比べてほぼ横ばいであるのに対し、女性は20年で2割強上昇していた。

フランスの若者はどのような体位が好きなのか。性交渉をしたことがあると答えた人の中で、正常位の経験者は87%、後背位は78%、騎乗位は74%だった。加えて同調査は、カトリックの信仰の深さと体位の関係も明らかにしている。

「無宗教」と答えた後背位経験者は82%と高いが、「カトリックだが実践はしていない」人は77%、「カトリックで時々実践する」人は78%と、割合は少し下がる。そして「敬虔なカトリック」だと51%まで割合は落ちた。

騎乗位の場合も「無宗教」が74%、「カトリックだが実践はしていない」人が73%、「カトリックで時々実践する」人が81%となる一方で、「敬虔なカトリック」は59%と下がった。

後背位は無宗教の人に経験者が多く、騎乗位は時々ルールを守っているカトリック教徒に多いらしい。ちなみにカトリックでは正常位が「正しい体位」とされており、その影響か敬虔なカトリック信者の後背位と騎乗位の割合は、他と比べ低くなった。文化と習慣が変わればセックス事情も大きく変わるようだ。
(欧州プレス)