タビカレ総選挙「ニコニコ町会議賞」に選ばれた千葉県成田市のゆるキャラ「うなりくん」

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先ごろ、旅行業界でちょっと異色の総選挙があったのをご存じだろうか。

その名も「タビカレ総選挙」! 「タビカレ」とは旅とカレッジ(college)の略で、観光資源の発掘や見直しを通して新たな定番観光地づくりを目指す観光庁主催のプロジェクト。その集大成ともいえるイベント「タビカレ学園祭」が2月1・2日に東京ビッグサイトで開催され、来場者参加型の「タビカレ総選挙」もおこなわれたのだ。

イベントには各地のゆるキャラもつめかけ、声優やタレントがメンバーのPRユニット「タビカレガールズ」のライブもあり、かなり盛り上がった。2日間で約5,000人が来場し、ニコニコ生放送の視聴者は6万7000人に上ったという。

総選挙に参加したのは全国78地域。“定番になるような観光地を新たに提案する”という趣旨のもと、どの地域もアイデアあふれる提案をして会場を湧かせた。

参加地域数が多いので、さすがにすべては取り上げられないが、注目の地域をいくつか紹介しよう。まずはニコニコユーザーからの評価が高く、特別賞「ニコニコ町会議賞」にも選ばれた、千葉県成田市の 「『運気上昇のまち 成田』で叶う夢のおもてなしツアー」。成田といえば、毎年大勢の初詣客でにぎわう成田山新勝寺があり、成田国際空港からは毎日飛行機が上昇する。つまり、縁起のよい=運気が上昇する街、というわけ。なるほど! 写経体験やCAとの交流などユニークな企画内容もさることながら、今回は会場に来ていた成田市のゆるキャラ「うなりくん」も人気の的だった。会場では積極的にPRして周っており、受賞にひと役買ったようだ。

惜しくも受賞は逃したが、山口県防府市の「幸せますのまち防府『幸せ発見』ツアー」のプレゼンもインパクトがあった。幸せになるポイントの1つに、「笑って」を挙げているため、ステージで「お笑い体操」を披露し、場内を沸かせた。防府市には「世界お笑い協会」なるものがあるのだそうだ。

新たなブームを予感させたのが、北海道小樽市と札幌市の「ロリカワツーリズム 小樽・札幌でロリカワしよう!」。ターゲットはロリータやカワイイファッションが大好きな女性たち。ロリータ&カワイイファッションが似合う歴史的建造物などの撮影スポットなどを紹介するガイドブックを作成したり、イベントを企画している。小樽と札幌がポップカルチャーの聖地になることを目指しているという。

なお、総合部門(※来場者得票数とオフィシャルサイトのポイントを集計)で見事1位に輝いたのは福島県喜多方市が提案する「酣って読めっかよ? 漢字のまち喜多方」だった。“古代文字”のを新たな観光資源にしようとする試みで、町にある古代文字の看板に謎解きのストーリーを加えたミステリーウオークなどを企画している。ちなみに「酣」はたけなわと読む。

旅好きはもちろん、そうでなくとも興味をそそられる企画が勢ぞろいした回の総選挙。私自身、日本にはまだまだ魅力がたっぷりあることを改めて認識した次第。ユニークな企画が多いので、ぜひ次の旅の参考にしてみては?
(古屋江美子)