コーヒーフィルターペーパー『GOURMET(グルメ)』(メリタジャパン)

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冬はなんといっても暖かいコーヒーを飲んで暖まるのがいい。香りのいいコーヒーはそれだけでリラックスできるものだ。そんな欲望を満足させるにはコーヒー豆や挽き方にこだわることも重要だが、忘れてならないのがコーヒーフィルターの存在。フィルターによってコーヒーの味は左右されてしまうのだ。コーヒーフィルターペーパー『GOURMET(グルメ)』(メリタジャパン)を例にその仕組を紐解いてみよう。

同社のアンケート調査で、同製品を使って淹れたコーヒーを飲んで「味の違いがよくわかる・わかる」と回答した割合は82%になったそうだ。従来品と『GOURMET』との違いが明らかになったわけだが、同じコーヒー豆を使い、同時に淹れたコーヒーであるにもかかわらず、フィルターの違いによっておいしく変化するのはなぜだろうか。担当者に詳しく聞いてみた。

「従来の製品には、コーヒーのフレッシュな味と香りを通すために、直径0.3mmの超微細なアロマホール(香りの穴)が、半径1cmの中に40個も開いています」

なるほど。たくさん穴を開けて香りがより多く出るようにしたわけか。それにしてもたくさん開いているものだなぁ。

「さらに、より香り高くコーヒー本来の味を楽しむために、その穴をS字型にすることにたどり着きました。既存のアロマホールがあるフィルターペーパーと比較した結果、コーヒーの香り成分をより多く含む抽出効率のよいペーパーの開発に成功しました」

一番上の層にそのS字穴の数を一番多くすることで過抽出を防ぎ、対して一番下の層はS字ホールの数を少なくすることでコーヒー粉がお湯に接する時間を調整して、より効果的にコーヒー本来の味を引き出すための抽出準備(蒸らし)ができるのだという。

具体的には3層になっているフィルター、それぞれの役割はこうなっている。

最下層は「アンフォルディング(展開)」という。抽出のファーストステップとして、抽出調整(蒸らし)のための層で、最初のアロマを引き出す役割があるそうだ。そして中間層は「リファイニング(精製)」という。均一で安定した理想的なアロマ(香り)を導く役割だ。上層は「バランシング」。苦みをおさえたバランスの良いフレーバーを抽出するため過抽出を防ぐ役割がある。

たかがコーヒーのフィルターペーパーと思っていたが、かなり緻密に計算されて、コーヒー抽出を最適なバランスにコントロールしているんだなぁ。コーヒーを淹れるって奥が深い! 

これからどこかでコーヒーを飲むとき、「どんなフィルターペーパー使ってるのかな」と自然と注目してしまいそうである。
(羽石竜示)