日本文理vs今治西 日本文理が12安打10得点の猛攻で今治西をコールドで下す!
先発の藤田優平投手
日本文理が12安打10得点の猛攻で今治西をコールドで下す!
接戦をモノにして準決勝進出を決めた日本文理。先発は藤田 優平(2年)だった。前日にエース・飯塚 悟史(2年)は156球を投げており、大井道夫監督はこの日、投げさせないと決めていた。本来ならば、夏の甲子園で登板した小太刀 緒飛(2年)が登板すると思われたが、小太刀は肩、肘を痛めていて、現在は投げられない。大井監督は藤田を起用した意図を、「彼はBチームで投げていた投手。練習に対する姿勢が素晴らしかったので、彼に託そうと思って、ベンチに入れました」と語る。 期待されてマウンドに登った藤田だが、1番田頭寛至(2年)に四球を与えると、二死二塁から、4番福原健太(2年)にレフトオーバーの二塁打を浴び、先制点を許す。 今治西は、幸先よく先制をしたが、その裏、一死から2番黒䑓 騎士(2年)が左中間を破る二塁打を放ち、3番小太刀のファーストゴロで二死三塁。4番池田 貴将(2年)を迎えたところで、ワイルドピッチで同点となった。今治西の大野康哉監督は「これでチームが浮き足立ってしました」とワイルドピッチを悔やんだ。
2回表に今治西は8番杉内洸貴(1年)の犠牲フライで一旦は勝ち越すものの、その裏、無死二塁から7番星 兼太(1年)にタイムリー二塁打を浴びて再び同点。さらに3回裏には、星のセカンドゴロの間に勝ち越しを許した。日本文理はリードを奪った後、ペースを握る。
4回裏、一死から1番竹石 稜(2年)の死球、2番黒䑓の犠打で二死二塁となり、3番小太刀が四球。この四球の間に竹石が三盗に成功して二死一、三塁とすると、4番池田がピッチャー強襲のタイムリー内野安打で4対2。二死一、二塁となって、5番小林がレフトに強烈ライナー。レフトが飛びつくも弾いてしまい、打球は外野を転々と転がり、二者が生還して、6対2。さらに二死二塁から6番鎌倉 航(2年)が右中間を破るタイムリー二塁打で7対2となった。
この日本文理の打撃は見事。今治西・神野 靖大(2年)は130キロ前半の直球、スライダー、カーブ、シュートを内外角に織り交ぜて打たせて取ることができる実戦派左腕だが、今日は連投のためボールが来ていないのか、手元まで伸びていない。今治西の大野監督は「不調の中でも立ち直ることができる投手なので、続投させました」と語るが、日本文理打線がストライクゾーンに入ったコースを逃さない打撃、また守備のミスもあって、突き放されてしまった。
日本文理の打線は力強く、右打者ならば右方向、左打者ならば左方向へ伸びる打球を飛ばしている。大野監督は守りにミスがあったことを反省点として挙げていたが、逆方向へ伸びる打球を打つ日本文理の打者を見て、「うちも見習いたい」と語った。
6回まで投げ抜いた神野投手(今治西)
序盤に2失点した藤田はチェンジアップを軸に今治西打線を抑え、バックもそれに盛り立てる。6回に今治西の6番西本大悟(2年)にタイムリー内野安打を浴びるが、3失点でとどめた。送り出した大井監督も「初登板で3失点は上出来!今治西相手によく投げた」と称えていた。 6回裏、日本文理は相手守備の乱れと8番新井充(2年)のセンター前タイムリー。7回裏にも4番池田のタイムリーが飛び出し、7点差としてコールド勝ちを決めた。
勝利をおさめた日本文理の大井監督は、「こんな点差になると思っていなかったですし、神野投手の調子があまりよくなかったんじゃないかな。今日は藤田ですね。一生懸命やった子が結果を残すのは本当にうれしいです」。 練習姿勢の良い藤田の活躍に嬉しそうな表情を浮かべた。打線は12安打10得点と大当たり。主将の池田は、「甲子園が終わって、ボールは見逃して、ストライクゾーンを逃さず打っていくことを目指してきました」。 どの打者もストライクゾーンに入ることを逃さずに打っていき、強い打球を飛ばすことができていた。決勝では沖縄尚学と対戦する。140キロ右腕二枚揃え、破壊力ある打線と機動力を兼ね備えた沖縄尚学に対しては全力でぶつかり、初優勝を勝ち取りたい。
(文=河嶋 宗一)