By Suicine

公衆無線LANサービスが街中の至る所で利用できるようになりつつありますが、そんな電波の通信規格とは別に、LED電球を用いて超高速通信を可能にする新しい超高速通信規格「Li-fi」の研究が、イギリスで複数の大学の合弁事業として進められています。

BBC News - 'Li-fi' via LED light bulb data speed breakthrough
http://www.bbc.co.uk/news/technology-24711935

「Li-fi」は、エディンバラ大学セント・アンドルーズ大学ストラスクライド大学オックスフォード大学ケンブリッジ大学の合弁事業の研究として進められており、EPSRC(物理科学研究委員会)からの資金援助を受けています。研究者は、赤・緑・青の原色の「Micro LED」というミクロ単位のLED電球を使って白色の光を構築し、3.5Gbpsの速度でのデータ転送を成功させています。

By Mike Deal aka ZoneDancer

Micro LED電球を使った高速通信は、直交周波数分割多重方式(OFDM)を採用しています。仕組みとしてはLEDライトを高速で点滅させることで何千もの2進法データの塊を一度に送信することができるため、大量のデータを一度に超高速で送信することが可能。



PureVLC」というLi-fi技術(VLC)を開発する会社を設立したハラルド・ハース氏は、2011年にLED電球を用いた信号処理技術によって高画質動画をコンピュータへ送信するというデモンストレーションを実施済み。可視光線の電磁スペクトルは無線電波よりも1万倍強力で、エネルギー効率の優れた超高速通信規格になるとのこと。


さらに、LED電球を一定間隔で建物などに埋めることでLi-fiが利用できるようになるため、既にあるインフラに手を加えることで安定したネット環境を提供できることや、光は壁を貫通できないため従来のWi-Fiよりもセキュリティ性の高い通信規格になると、ハース氏は主張しています。