うまい棒のすべてが詰め込まれたうまい棒大百科。500以上のパッケージとグッズが収録されている!『やおきん公認 うまい棒大百科』うまい棒同盟/河出書房新社

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『やおきん公認 うまい棒大百科』。チロルチョコ、ファンタ、ベビースターラーメン、さまざまな味を展開しているお菓子やジュースの中でも、うまい棒のラインナップや歴史も、なかなか分量があって、いい感じだ。大百科にする価値は、十二分にあり!

この本、「うまい棒同盟・監修」とある。うまい棒同盟って何だろうと思って読んでみると、まえがきには、こんなことが書いてあった…

「私は大学生になってパソコンを買ってホームページを作ったんですが、すぐにネタが尽きて…」

「うまい棒同盟というものを作った」という感じ。いいぞ!その温度、好きだ!

つまり、要するに、うまい棒が好きすぎて大百科レベルまでデータや考察が蓄積されちゃった系だ。最高。

うまい棒の歴史や種類、グッズや開発者インタビューなどで構成されており、うまい棒のあらゆる側面を楽しむことができる、ファン必携の本だ。厚めのビニールカバーが最初から付いている装丁は、うまい棒を食べながら見ることを前提にしているに違いない!パウダーガード+オイルガード!

年表形式でまとめられた「うまい棒の歴史」コーナーでは「ママの味」、「ギョ!the味」(餃子ってことだろうけど、なぜこういう名前なのか謎な所が良い)、「ロブスター味」などが80年代に続々と「誕生するが、すぐに消える」と記録されている。いろいろな味が死んだり復活したり、かなり激しく動いているのがよくわかるぞ。

初期デザインの中身が透けて見える袋や、高度経済成長期空気感を残した雰囲気は、昭和を愛する人間にはたまらないものがある。1979年、うまい棒誕生の年はなんと、『ドラえもん』テレビアニメ放送開始の年。あのキャラにこのキャラをぶつけるやおきん、色々すごいぜ。

パッケージに描かれたキャラクターの台詞や、背景色の違いまで、さまざまなパッケージのバージョン違いを集めた「イレギュラーうまい棒」コーナーも泣ける。なんと、「さきいか味」には6種類ものバージョン違いが!しかもほとんど同じで、イカがタコになっているものまで!さきいか味で、なんでそこ変えたの!

コラボレーションうまい棒を紹介するコーナーでは、キティちゃんやバーバパパから自動車保険の会社まで、100種類以上のうまい棒がすごい勢いで紹介されてます。キャンペーングッズとして、ポケットティッシュのように配れる気軽さがいいのかもしれないな。

写真やデータが豊富な中、文章も充実してます。「うまい棒という名前は、色々候補があったが最終的に、"うまいんだから"という理由で決まった」など、「うんうん、実はこういうことこそ僕らは確認したいんだよなあ」というのが最高な「うまい棒トリビア」コーナーもあり。

ゆっくり眺めて「好きな味ランキング」を考えるのもよし、「チーズ味を輪切りにして加工したら大量のカールが作れるんじゃないか?」という子ども時代の野望を思い出すのもよし、好きな所から適当にめくって読める本だ、『やおきん公認 うまい棒大百科』(香山哲)