本当にiOS7にアップデートしていいのか。超ていねいに解説してみた
日本時間では9月19日の早朝に、iPhoneやiPad用の最新OSであるiOS7が配信されました。そして、翌20日にはiPhone5cおよびiPhone5sの発売です。これは昨年の9月20日にiOS6が、翌21日にiPhone5が発売されたときとほぼ同じ流れになります。
前回はマップ問題がありましたが、今回は全体の見た目や使い勝手が大きくかわっています。果たして本当にバージョンアップしていいのか、悩んでいる人もいるでしょう。そこで、今回も本当にiOS7にしていいのか? というところを個人的に「これは!」と思った機能をふまえて解説していきます。なお、今回はiPhone5とiPad(3)で検証いたしました。
●フラットデザインの画面は見やすいのかどうか
今回のデザインは全体的に「フラットデザイン」になっています。これはリッチデザインの対義語で、できるだけシンプルな見た目にするというものです。今まではアイコンに影がついて立体感や奥行きを感じさせたり、質感を感じさせるようなものが多かったのですが、iOS7では平坦になりました。
これがいいか悪いかは好みの問題があるので難しいところです。使っていくうちに慣れていくというのもあるでしょう。
iOS7らしさを味わうのなら、まずは壁紙を最初から用意されているAPPLE WALLPAPERのダイナミックにしてみましょう。後ろの水玉のようなものがゆらゆら動いているものになります。この状態でiPhoneを傾けると、水玉も傾けた方向に移動するし、アイコンもわずかに動きます。傾けたりしても見やすいようになっているのですね。
個人的にはアイコンはともかく、文字が細くて見づらい気がします。最初の壁紙との相性がとにかく悪いのです。英語環境だとさほどそう感じさせないのですが、日本語だとどうも視認性が悪いと思います。同じような悩みを抱えている人は、設定で変更しましょう。
設定→一般→アクセシビリティの中に「文字を太くする」という項目があります。ここをオンにして再起動をすると、アイコンの下の文字が太くなります。これで見やすくなりました。1枚目の写真でそのままの状態、太くした状態、英語環境(文字は太くしていない)を並べてみましたので参考にしてみてください。
ただし、文字を太く設定すると、メモやメールといったアプリの中の文字まで太くなってしまいますので注意が必要です。
●コントロールセンターとパワーアップした通知センターは便利
iOS7の目玉機能の1つは、コントロールセンターでしょう。画面の下からスワイプすることで素早くいろいろな機能にアクセスできます。ここで操作できるのは機内モード、無線LAN、Bluetooth、おやすみモード、画面ロックのオンオフや画面の輝度の調整、ミュージックの再生にいくつかのアプリです。(写真)
ちなみにiPhoneだと上記の通りなのですが、iPadで「本体横のスイッチの機能」を「画面の向きをロック」にすると、画面ロックではなく消音になります。スイッチを「消音」に設定すると、コントロールセンター内で画面ロックになります。
コントロールセンターで特に便利なのは輝度を変えることができるのと、無線LANのオンオフ、そして懐中電灯でしょう。バッテリーの消耗を抑えるために普段は暗めで運用しているのですが、人に画面を見せるときには輝度を上げなければなりません。今まではいちいちホームから設定で変更していたのですが、アプリを起動したままコントロールセンターを呼び出して変更できます。また、無線LANもあまりうまくつながらない野良無線LANなどを拾ってしまったときに素早くオフにできるのはありがたいです。
そして何より懐中電灯が便利なのです。懐中電灯アプリはあるのですが、どんな操作をしていても素早く呼び出せるようになったのは便利きわまりないです。今まではそれぞれ純正アプリが用意されていたカメラ、電卓、時計に並んで懐中電灯が入ったのは同じことを感じている人が多かったのでしょう。アプリ開発者にとっては残念ながら、これで懐中電灯アプリは特にインストールしなくてもよくなってしまいました。
また、新たに加わったAirDropではiPhone同士でデータのやりとりを行うことができます。コントロールセンターでAirDropを連絡先のみか全員に公開することで、他のiPhoneから見えるようになり、写真などを送ることができます。残念ながらMacのAirDropとは現時点で連携できないので、今後のアップデートに期待したいところです。
コントロールセンターで残念なのは、アプリによっては画面の下から上へスワイプ操作をするときがあり、そのときにコントロールセンターが優先されることです。具体的に言うと、パズドラをやっているときに、一番下の段のドロップを上に持っていこうとしたらコントロールセンターが出てしまう、ということが何度もあったのでした。iPhoneの設定の「コントロールセンター」で「App内でのアクセス」をオフにすればいいのですが、他のアプリを使っているときにコントロールセンターを呼び出せなくなるのは嫌なので悩んでいます。
通知センターでは、全体のタブが「今日」「すべて」「未確認」に分かれ、見やすくなりました。「今日」を見ると何月何日の何曜日で、何時にどういう予定があるかを教えてくれます。さらには画面の下の方に「明日」があり「3件の予定があり、最初の予定は14:30からです。」といったことも教えてくれます。
ただし、この「予定」はFacebookとiOSを連携させていると招待されたイベントも予定として表示されてしまうので注意が必要です。招待されても行くことができないFacebookイベントはそのまま放置をせずに、きちんと不参加に切り替えましょう。
●Safariとカメラもパワーアップ
iOSがバージョンアップするたびに大きくパワーアップしているアプリといえば、Safariとカメラです。今回もそれぞれパワーアップしています。
Safariはまず、開けるタブの枚数が増えました。今までは8枚までしか開けなかったのが、8枚以上開けるようになっています。タブを選択する画面でもページをめくるようにすばやく選ぶことができるようになっています。(写真)
このとき、タブを下までめくっていくと、そこからiCloud登録をしている他のMacで開いているページのタイトルが表示されます。iOS6の「iCloudタブ」機能ですね。とても便利な機能が、さらにアクセスしやすくなりました。
Safariでもう一つパワーアップした点は、URL入力欄と検索欄が一緒になったことです。今まで検索するつもりでURL欄に入力してしまったりするということがなくなるのです。これはとても大きなパワーアップポイントと言えるでしょう。
カメラは正方形のスクエアの写真を撮ることができるようになりました。カメラを起動している間に横にスワイプすることで、ビデオやスクエアやパノラマを選択できます。また、9種類のフィルターをかけて撮ることができるようになっていて、面白い効果の写真を簡単に撮れるようになっています。フィルターをかける際には、右下の●が重なったアイコンをタップしましょう。
シャッターを切るときには、シャッターアイコンを押しっぱなしにすることで連写ができるようになっています。連写が欲しかった人には便利でしょう。ただ、今まではシャッターアイコンを押しっぱなしにし、指を離した時に撮れるという機能を使っていたので、その撮影方法ができなくなってしまったのは痛手です。
●その他のこれは! と思ったパワーアップポイント
アイコンとフォルダがパワーアップしたのは大きいでしょう。特に、ニューススタンドをフォルダに収納することができるようになったのは、待ち望んでいた人も多いと思います。
そのフォルダはアイコンを135個まで収納できるようになりました。ただし、一度に画面に表示されるのは9個までで、残りは2ページ目、3ページ目……となります。アクセスするために操作が増えてしまうので、これからアプリをどう整理すると効率がいいのかは考えていく必要があるでしょう。
少しだけ納得がいかないのが、iPadでも9個のアイコン2ページになったことです。iPadは画面が大きい分20個までアプリをフォルダに収納でき、しかもそれが1ページに収まっていました。それが9個ずつになったのは、ちょっとアクセスにかかる手数が増えて面倒と感じています。
iPhone内を検索するSpotlightはホーム画面のどこでも下に向かってスワイプをすると出てくるようになりました。今までだとホームボタンを押して一番最初のページにし、そこからさらに左のページへ行くことで検索していたのが、どこからでもできるようになったのです。結構多用している機能なので、アクセスが楽になったのは個人的にはうれしい点です。
また、カメラロールを見る「写真」もパワーアップしています。カメラロール内は写真の羅列だけで、いつ撮った写真なのかが一目でわからなかったためアルバムビューワーアプリを愛用していたのですが、その点が改善されました。
アイコンが今までの「アルバム」「フォトストリーム」「撮影地」から、「写真」「共有」「アルバム」に変わり、「写真」では全ての写真を日付と撮影地、そして年別で整理して表示してくれます。何月何日ぐらいに自宅で撮った写真とかを素早く見つけることができるのです。たくさんiPhoneで写真を撮る人にはとてもありがたいパワーアップですね。
あとは、ロック画面の解除のためのスワイプが画面のどこからでも大丈夫になりました。これも地味に便利です。
●ここは直して欲しい点
では直して欲しい点はあるでしょうか。あったりします。
まずはやっぱりデザイン面でいくつか不満があります。例えば、最初の方に書いたアイコンの文字が細いというのもそうです。それから、アプリ内のボタンが絵よりも文字優先になったことで、かえって視認性が悪くなってしまったものがいくつかあったりします。
わかりやすさを優先するのでiOS7の純正アプリではないのですが、Facebookアプリを見てみましょう。ニュースフィードに投稿するときに画面上部に出てくるのはこちらです。
「キャンセル 近況アップデート 投稿する」
いったいどこがボタンでどこがタイトルなのか非常にわかりづらくなっています。英語版だと「Cancel Update Status Post」のように十分に文字間が離れているのですが、日本語だとそうではないところがあるのですね。そういうところは直して欲しいです。
それから、文字入力も少しやりづらくなりました。フリック入力で英語を入力する際に、まとめて大文字に変換できないようになっています。1文字ずつ「a/A」ボタンを押して大文字に変えるしかできません。例えば「LINE」と入力をしたかったら、今までだと「line」と入力すれば変換候補に「LINE」と出てきたのですが、iOS7ではでてこないのです。したがって「l」を押して「a/A」を押し、「i」を押して「a/A」を押し、「n」を押して「a/A」を押し、「e」を押して「a/A」を押してようやく入力が完了します。ちょっとこれは面倒です。
他にも細かいところで気になる点はないわけではないのですが、慣れるかどうかも大きいとは思いますが、入力の手間やそもそもボタンを認識しづらいという点は早急に何とかして欲しいところです。
●まとめ
まだまだたくさん紹介したい機能が(マルチタスクがスワイプでアプリを終了させたり、横画面に対応していたりとか)ありますが、いったんここでまとめます。
今回は、おおむねパワーアップしています。今までの操作感覚とはちょっと違ったり、アイコンが変わったりしている点で見づらくなった、視認性が悪くなったと感じる人もいるでしょう。ただ個人的には、この部分は慣れが大きいと思っています。
少なくとも、前回のマップ問題のような、ある意味致命的な部分は少ないため、多くの人がなんだかんだ使っていくうちに便利と感じるのではないかと思われます。特に自分にとってはコントロールセンターは便利すぎてなくてはならない機能になりました。
どうしてもフラットデザインに嫌悪感がある、という人以外はiOS7にパワーアップしてもいいと思います。新しいOSの便利さを体感してみてください。
(杉村 啓)
前回はマップ問題がありましたが、今回は全体の見た目や使い勝手が大きくかわっています。果たして本当にバージョンアップしていいのか、悩んでいる人もいるでしょう。そこで、今回も本当にiOS7にしていいのか? というところを個人的に「これは!」と思った機能をふまえて解説していきます。なお、今回はiPhone5とiPad(3)で検証いたしました。
今回のデザインは全体的に「フラットデザイン」になっています。これはリッチデザインの対義語で、できるだけシンプルな見た目にするというものです。今まではアイコンに影がついて立体感や奥行きを感じさせたり、質感を感じさせるようなものが多かったのですが、iOS7では平坦になりました。
これがいいか悪いかは好みの問題があるので難しいところです。使っていくうちに慣れていくというのもあるでしょう。
iOS7らしさを味わうのなら、まずは壁紙を最初から用意されているAPPLE WALLPAPERのダイナミックにしてみましょう。後ろの水玉のようなものがゆらゆら動いているものになります。この状態でiPhoneを傾けると、水玉も傾けた方向に移動するし、アイコンもわずかに動きます。傾けたりしても見やすいようになっているのですね。
個人的にはアイコンはともかく、文字が細くて見づらい気がします。最初の壁紙との相性がとにかく悪いのです。英語環境だとさほどそう感じさせないのですが、日本語だとどうも視認性が悪いと思います。同じような悩みを抱えている人は、設定で変更しましょう。
設定→一般→アクセシビリティの中に「文字を太くする」という項目があります。ここをオンにして再起動をすると、アイコンの下の文字が太くなります。これで見やすくなりました。1枚目の写真でそのままの状態、太くした状態、英語環境(文字は太くしていない)を並べてみましたので参考にしてみてください。
ただし、文字を太く設定すると、メモやメールといったアプリの中の文字まで太くなってしまいますので注意が必要です。
●コントロールセンターとパワーアップした通知センターは便利
iOS7の目玉機能の1つは、コントロールセンターでしょう。画面の下からスワイプすることで素早くいろいろな機能にアクセスできます。ここで操作できるのは機内モード、無線LAN、Bluetooth、おやすみモード、画面ロックのオンオフや画面の輝度の調整、ミュージックの再生にいくつかのアプリです。(写真)
ちなみにiPhoneだと上記の通りなのですが、iPadで「本体横のスイッチの機能」を「画面の向きをロック」にすると、画面ロックではなく消音になります。スイッチを「消音」に設定すると、コントロールセンター内で画面ロックになります。
コントロールセンターで特に便利なのは輝度を変えることができるのと、無線LANのオンオフ、そして懐中電灯でしょう。バッテリーの消耗を抑えるために普段は暗めで運用しているのですが、人に画面を見せるときには輝度を上げなければなりません。今まではいちいちホームから設定で変更していたのですが、アプリを起動したままコントロールセンターを呼び出して変更できます。また、無線LANもあまりうまくつながらない野良無線LANなどを拾ってしまったときに素早くオフにできるのはありがたいです。
そして何より懐中電灯が便利なのです。懐中電灯アプリはあるのですが、どんな操作をしていても素早く呼び出せるようになったのは便利きわまりないです。今まではそれぞれ純正アプリが用意されていたカメラ、電卓、時計に並んで懐中電灯が入ったのは同じことを感じている人が多かったのでしょう。アプリ開発者にとっては残念ながら、これで懐中電灯アプリは特にインストールしなくてもよくなってしまいました。
また、新たに加わったAirDropではiPhone同士でデータのやりとりを行うことができます。コントロールセンターでAirDropを連絡先のみか全員に公開することで、他のiPhoneから見えるようになり、写真などを送ることができます。残念ながらMacのAirDropとは現時点で連携できないので、今後のアップデートに期待したいところです。
コントロールセンターで残念なのは、アプリによっては画面の下から上へスワイプ操作をするときがあり、そのときにコントロールセンターが優先されることです。具体的に言うと、パズドラをやっているときに、一番下の段のドロップを上に持っていこうとしたらコントロールセンターが出てしまう、ということが何度もあったのでした。iPhoneの設定の「コントロールセンター」で「App内でのアクセス」をオフにすればいいのですが、他のアプリを使っているときにコントロールセンターを呼び出せなくなるのは嫌なので悩んでいます。
通知センターでは、全体のタブが「今日」「すべて」「未確認」に分かれ、見やすくなりました。「今日」を見ると何月何日の何曜日で、何時にどういう予定があるかを教えてくれます。さらには画面の下の方に「明日」があり「3件の予定があり、最初の予定は14:30からです。」といったことも教えてくれます。
ただし、この「予定」はFacebookとiOSを連携させていると招待されたイベントも予定として表示されてしまうので注意が必要です。招待されても行くことができないFacebookイベントはそのまま放置をせずに、きちんと不参加に切り替えましょう。
●Safariとカメラもパワーアップ
iOSがバージョンアップするたびに大きくパワーアップしているアプリといえば、Safariとカメラです。今回もそれぞれパワーアップしています。
Safariはまず、開けるタブの枚数が増えました。今までは8枚までしか開けなかったのが、8枚以上開けるようになっています。タブを選択する画面でもページをめくるようにすばやく選ぶことができるようになっています。(写真)
このとき、タブを下までめくっていくと、そこからiCloud登録をしている他のMacで開いているページのタイトルが表示されます。iOS6の「iCloudタブ」機能ですね。とても便利な機能が、さらにアクセスしやすくなりました。
Safariでもう一つパワーアップした点は、URL入力欄と検索欄が一緒になったことです。今まで検索するつもりでURL欄に入力してしまったりするということがなくなるのです。これはとても大きなパワーアップポイントと言えるでしょう。
カメラは正方形のスクエアの写真を撮ることができるようになりました。カメラを起動している間に横にスワイプすることで、ビデオやスクエアやパノラマを選択できます。また、9種類のフィルターをかけて撮ることができるようになっていて、面白い効果の写真を簡単に撮れるようになっています。フィルターをかける際には、右下の●が重なったアイコンをタップしましょう。
シャッターを切るときには、シャッターアイコンを押しっぱなしにすることで連写ができるようになっています。連写が欲しかった人には便利でしょう。ただ、今まではシャッターアイコンを押しっぱなしにし、指を離した時に撮れるという機能を使っていたので、その撮影方法ができなくなってしまったのは痛手です。
●その他のこれは! と思ったパワーアップポイント
アイコンとフォルダがパワーアップしたのは大きいでしょう。特に、ニューススタンドをフォルダに収納することができるようになったのは、待ち望んでいた人も多いと思います。
そのフォルダはアイコンを135個まで収納できるようになりました。ただし、一度に画面に表示されるのは9個までで、残りは2ページ目、3ページ目……となります。アクセスするために操作が増えてしまうので、これからアプリをどう整理すると効率がいいのかは考えていく必要があるでしょう。
少しだけ納得がいかないのが、iPadでも9個のアイコン2ページになったことです。iPadは画面が大きい分20個までアプリをフォルダに収納でき、しかもそれが1ページに収まっていました。それが9個ずつになったのは、ちょっとアクセスにかかる手数が増えて面倒と感じています。
iPhone内を検索するSpotlightはホーム画面のどこでも下に向かってスワイプをすると出てくるようになりました。今までだとホームボタンを押して一番最初のページにし、そこからさらに左のページへ行くことで検索していたのが、どこからでもできるようになったのです。結構多用している機能なので、アクセスが楽になったのは個人的にはうれしい点です。
また、カメラロールを見る「写真」もパワーアップしています。カメラロール内は写真の羅列だけで、いつ撮った写真なのかが一目でわからなかったためアルバムビューワーアプリを愛用していたのですが、その点が改善されました。
アイコンが今までの「アルバム」「フォトストリーム」「撮影地」から、「写真」「共有」「アルバム」に変わり、「写真」では全ての写真を日付と撮影地、そして年別で整理して表示してくれます。何月何日ぐらいに自宅で撮った写真とかを素早く見つけることができるのです。たくさんiPhoneで写真を撮る人にはとてもありがたいパワーアップですね。
あとは、ロック画面の解除のためのスワイプが画面のどこからでも大丈夫になりました。これも地味に便利です。
●ここは直して欲しい点
では直して欲しい点はあるでしょうか。あったりします。
まずはやっぱりデザイン面でいくつか不満があります。例えば、最初の方に書いたアイコンの文字が細いというのもそうです。それから、アプリ内のボタンが絵よりも文字優先になったことで、かえって視認性が悪くなってしまったものがいくつかあったりします。
わかりやすさを優先するのでiOS7の純正アプリではないのですが、Facebookアプリを見てみましょう。ニュースフィードに投稿するときに画面上部に出てくるのはこちらです。
「キャンセル 近況アップデート 投稿する」
いったいどこがボタンでどこがタイトルなのか非常にわかりづらくなっています。英語版だと「Cancel Update Status Post」のように十分に文字間が離れているのですが、日本語だとそうではないところがあるのですね。そういうところは直して欲しいです。
それから、文字入力も少しやりづらくなりました。フリック入力で英語を入力する際に、まとめて大文字に変換できないようになっています。1文字ずつ「a/A」ボタンを押して大文字に変えるしかできません。例えば「LINE」と入力をしたかったら、今までだと「line」と入力すれば変換候補に「LINE」と出てきたのですが、iOS7ではでてこないのです。したがって「l」を押して「a/A」を押し、「i」を押して「a/A」を押し、「n」を押して「a/A」を押し、「e」を押して「a/A」を押してようやく入力が完了します。ちょっとこれは面倒です。
他にも細かいところで気になる点はないわけではないのですが、慣れるかどうかも大きいとは思いますが、入力の手間やそもそもボタンを認識しづらいという点は早急に何とかして欲しいところです。
●まとめ
まだまだたくさん紹介したい機能が(マルチタスクがスワイプでアプリを終了させたり、横画面に対応していたりとか)ありますが、いったんここでまとめます。
今回は、おおむねパワーアップしています。今までの操作感覚とはちょっと違ったり、アイコンが変わったりしている点で見づらくなった、視認性が悪くなったと感じる人もいるでしょう。ただ個人的には、この部分は慣れが大きいと思っています。
少なくとも、前回のマップ問題のような、ある意味致命的な部分は少ないため、多くの人がなんだかんだ使っていくうちに便利と感じるのではないかと思われます。特に自分にとってはコントロールセンターは便利すぎてなくてはならない機能になりました。
どうしてもフラットデザインに嫌悪感がある、という人以外はiOS7にパワーアップしてもいいと思います。新しいOSの便利さを体感してみてください。
(杉村 啓)