ところで、ブルーハワイといえば、語源は「ブルー・キュラソー」というお酒から作られるカクテルだということや、「ブルーハワイ味」は結局、甘味料や着色料、香料などが合わさった味だということはよく聞く話ですね。

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かき氷と言えば、イメージするのもイラストなども、やっぱりイチゴ味。
でも、近年、お祭りなどでかき氷を食べる子どもたちを眺めていると、イチゴ味を選ぶ子は案外少なく、圧倒的に多いのが、ブルーハワイである。
しかも、小中学生がイチゴ味を食べている友達に対し、「シブいね〜」なんて言っている場面を見ることすらある。
もしかして、いつの間にかかき氷の定番はブルーハワイになっているのだろうか。
業務用かき氷シロップを扱う、創業昭和10年の老舗メーカー・中村商店に聞いた。

「かき氷のシロップの一番人気は、常にイチゴ味です。弊社はかき氷シロップを何十年も販売していますが、イチゴ味は不動の1位なんですよ」
ああ……やっぱりブルーハワイは主流にはなっていないんですね……。
「いいえ、ブルーハワイは常に上位5位の中に入っていますから、主流ではあります。ただ、売上順でいくと、1位がずっと変わらずイチゴで、以下、2位がみぞれ、3位が宇治茶、4位にブルーハワイですね」

売上では、昔に比べ、みぞれやメロン・レモンが若干減少しており、ブルーハワイは横ばい状態が続いているそう。ちなみに、近年伸びているのはマンゴー味だと言う。

では、ブルーハワイを食べる子どもをやたらと見かける気がするのは、気のせいなのだろうか。
「確かに売上ではイチゴが一番多いですが、イチゴは大人の方に人気で、お子さんたちにはブルーハワイが人気あるということは言えます」
世代による好みの差があることから、「子どもたちがブルーハワイを食べる姿をよく見かける=人気が伸びている」と感じるのではないか、という指摘だった。
「あとは、練乳との相性もあるでしょう。ブルーハワイは安定した人気があるとはいえ、イチゴの場合は、練乳がけという組み合わせがあるから、売上が伸びるのでは?」
他のメーカーにも同様の質問をしてみたが、「売上はイチゴ味が1位で、ブルーハワイは3位か4位」「子どもにはブルーハワイが人気」という回答だった。

では、子どもたちはなぜブルーハワイが好きなのか。子どもたちから挙げられた理由は、以下の二つだった。
「見た目がいちばん涼しそう」
「食べた後にベロが青くなって面白いから」
特に子どもにとっては、後者の「遊び」要素も大きいのかも。
そう思うと、キレイな色である一方、子どもがよくやる、ドリンクバーなどで様々な味を混ぜてドブのような色の飲み物を作る遊びとも近いものがある気がする。

正直、多くの場合は何味でも、かき氷のシロップの味に大差ない気がするけれど、雰囲気を味わうこともかき氷の楽しみの一つです。
(田幸和歌子)