「ビーチバレー最高!」と雄叫びをあげる朝日健太郎。流暢にスピーチを行い、笑いもとり、ご両親も壇上に上げ、引退後のタレント活動も安泰か?(笑)
国内ビーチバレーJBVツアーは12日、東京都内のホテルにて「JBVツアーアワード2012」を開催し、男女のグランドチャンピオン(年間総合優勝)、MVPなどの表彰を行った。

男子全6戦、女子全7戦のツアーポイントによって争われるグランドチャンピオンには、朝日健太郎・白鳥勝浩組、女子は草野歩・尾崎睦組が輝いた。

今シーズン初めにチームを再結成、紆余曲折のすえロンドン五輪出場を果たした朝日・白鳥組。すでに引退を表明している朝日はMVPも受賞。「ビーチバレー最高!」と雄叫びをあげた後「シーズン当初は引退するとは思っていなかった。なかなかうまくいかなかったが、最後の最後で嬉しい」と言い、白鳥も「年間チャンピオンになり、(朝日に対して)最後の仕事を終えられたのかなと思います」と話した。

今季ケガから復帰し4勝をあげた尾崎は「昨年はくやしい思いをした。草野と一緒に戦えて嬉しかった」と話した。

二度のオリンピアン、朝日は先々月に引退を発表。そしてこの日、浅尾美和も競技から退くことを明らかにした。

競技と興行の両面で大きな柱を失うことになるビーチバレーボール。今シーズン、女子はアトランタ(1996年)から続いた五輪連続出場を逃したものの、男子は奇跡的に出場権を獲得。下降気味であった人気を盛り返すきっかけをつかんだように思われた。しかし国内JBVツアーの観客数は伸び悩み、来季はさらに厳しいことが予想される。競技面でもリオデジャネイロ五輪へ前途洋々とは言い難い。

朝日がMVPを受賞し、浅尾も壇上に立ち感謝の言葉を述べた。笑顔もあり涙もあり、良い雰囲気で終わったアワード。出席した150人あまりのファン、スポンサーは満足したかも知れない。しかし、選手たちが口々に言った「試合もなく観客もいなかったところからここまできた」この競技は、大きな岐路を迎えたように思う。

主な表彰は次の通り。
グランドチャンピオン
  男子:朝日健太郎(フォーバル)・白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)組
  女子:草野歩(フリー)・尾崎睦(湘南ベルマーレ)組
MVP
  男子:朝日健太郎
  女子:浦田聖子(フリー)
新人賞
  男子:奥平翔悟(BELLONA)
  女子:永田唯(スポーツクラブNAS)

(取材・文=小崎仁久)

浅尾美和(左)と浦田景子(右)
年間総合3位の浅尾美和(左)と浦田景子(右)。浅尾は「最後まで3位とは、私らしい」と苦笑