憧れの選手と一緒にプレーしたいと思うのは、日本人選手だけではない。

 ホアキム・ソリアにとっての憧れはマリアーノ・リベラだ。

 ヤンキースでなら、喜んでセットアッパーを務めるという。ソリアの代理人であるオスカー・スアレスが、ESPNのアンドルー・マーチャンドにそう語った。

 ソリアは4月にトミー・ジョン手術を受け、今シーズンは全休した。来シーズンも最初の1〜2ヵ月は投げられない可能性が高い。カンザスシティ・ロイヤルズは、球団オプションだった来シーズンの契約800万ドルを破棄した。

 とはいえ、まだ28歳。2008年からロイヤルズでクローザーとして投げてきたソリアが、進んでセットアッパーになるというのは、普通ではない。

 リベラが最近、現役続行か引退かで揺れていたことも、ソリアの気持ちに影響を与えたか。確かに、もうすぐ43歳になるリベラと一緒にプレーしたいなら、急いだ方がいい。多分、来シーズンが最後のチャンスになるだろう。

 ソリアの願いは叶うのか。

 そのためには、ディスカウント価格の契約に応じるのか。

 ソリアの動向は、今シーズンのヤンキースでクローザーを務めたラファエル・ソリアーノ(とその代理人であるスコット・ボラス)にとっても気になるところだろう。

 ソリアーノは自ら1400万ドルのオプションを破棄してFA市場に打って出たが、ヤンキースとの再契約を念頭に置いているらしい。4年6000万ドルの契約を狙っているという。

 リベラが故障明けだけに、ヤンキースは保険の意味もあってクローザーを務められる投手をもう一人必要としている。

 来シーズンに関しては、手術明けのソリアよりもソリアーノの方が計算できる。だが、年齢はソリアーノの方が4歳も上だ。

 純情とも言えるソリアの想いが、ソリアーノとボラスの目論見を邪魔するかもしれない。

 ソリアは、母国メキシコと死刑執行人(エクセキューショナー)を合わせた「メキシキューショナー」というニックネームで呼ばれていたが、近年、母国で殺人が増え、その殺人者も同じように呼ばれていることから「このニックネームを使わないでほしい」と昨年2月に発言している。